日本電産、TDK…「電子部品大手」5社の成長戦略。“中国依存”が裏目に出た企業も
2022/3期も過去最高を更新
翌2022/3期は企業による設備投資が回復し、増収増益となります。制御機器事業事業は半導体やEV、二次電池など各方面で企業の設備投資が増え、それに伴ってオムロンの製品も好調な売れ行きを示しました。
ヘルスケア事業は引き続き健康意識の高まりから需要が伸び、電子部品事業も家電や住宅設備などの民生品向け部品や自動車向け部品の売れ行きが伸びたことで増収となりました。
しかしながら、社会システム事業は引き続き駅システムへの投資が落ち込み、減収となっています。なお、利益面では増収と生産性向上により営業利益が大幅に伸び、過去最高を更新しました。
2023/3期は好調が続いており、第2四半期の段階で通年の売上高予想を当初の8500億円から8800億円に上方修正しました。特に半導体や二次電池、EVなど製造業の中でも先端向けの製品が伸びているようです。
電子部品業界の今後を占う
電子部品はさまざまな用途に使われているため、電子部品業界の今後を一言で表すことはできませんが、少なくとも拡大が続くと見られます。生産台数の伸びがやがて頭打ちを迎えるといわれている自動車向けでも電装化やEV化、自動運転技術の搭載で電子部品需要(例:MLCC、センサー類)が伸びる見込みです。
自動化やIoT化によって産業機器・製造機器に搭載される電子部品の需要も伸び、ICT向けもデータセンターなどの設備投資によって需要が伸びていくことでしょう。村田製作所のように短期では中国経済の影響を受ける可能性がありますが、中長期では安泰といえそうです。
<TEXT/経済ライター 山口伸>