日本電産、TDK…「電子部品大手」5社の成長戦略。“中国依存”が裏目に出た企業も
オムロン:医療よりも制御機器がメイン
体温計などを生産しているため、消費者の間では医療機器メーカーの印象があるオムロン株式会社ですが、同社の主要製品は工場などの機械で使われる制御機器です。各セグメントは次の通りとなっています。
(1)IAB(制御機器事業):センサやFAシステム機器、ロボット、電源など
(2)HCB(ヘルスケア事業):血圧計、体温計、体重計など
(3)SSB(社会システム事業):太陽光発電用機器、券売機、ソフトウェアなど
(4)DMB(電子部品事業):リレー、コネクター、センサーなど
ヘルスケア関連は増収も…
2020/3期から2022/3期までの業績は次の通りです。
【オムロン株式会社(2020/3期~2022/3期)】
売上高:6780億円→6555億円→7629億円
営業利益:548億円→625億円→893億円
最終利益:749億円→433億円→614億円
売上高(1)IAB(制御機器事業):3528億円→3464億円→4326億円
売上高(2)HCB(ヘルスケア事業):1120億円→1231億円→1329億円
売上高(3)SSB(社会システム事業):1160億円→957億円→877億円
売上高(4)DMB(電子部品事業):884億円→860億円→1064億円
まずは2021/3期の業績を見ていきましょう。制御機器事業事業では中国の半導体機器や二次電池関連向けの製品が好調だったものの、全体ではコロナ影響による生産数減少や設備投資の減少が影響し、減収となりました。一方でヘルスケア関連の事業は健康意識の高まりで増収となりました。
しかし、社会システム事業事業はコロナ禍で鉄道・駅システム関連への投資抑制がはたらき、減収しています。電子部品事業は好調なPC販売に支えられてPC向け製品の販売が伸びましたが、前半のコロナ影響が足を引っ張り、通年ではやや減収しました。