日本電産、TDK…「電子部品大手」5社の成長戦略。“中国依存”が裏目に出た企業も
低迷する中国経済の影響を受けた
2020/3期から2022/3期までの業績は次の通りです。
【株式会社村田製作所(2020/3期~2022/3期)】
売上高:1兆5340億円→1兆6302億円→1兆8125億円
営業利益:2532億円→3132億円→4327億円
最終利益:1830億円→2371億円→3141億円
売上高(1)コンポーネント:1兆517億円→1兆1143億円→1兆3841億円
売上高(2)モジュール:4786億円→4841億円→4256億円
コロナ禍の2021/3期は主要2事業がともに増収となりました。コンポーネント事業ではテレワークの導入でPC及び関連機器の需要が伸びており、それに伴ってコンデンサの販売が大きく増加しました。スマホ向けや自動車向けのコンデンサも部品取り込みの動きがあり、増収に貢献しています。インダクタ類もPC需要の増加に沿って好調となりました。
モジュール事業はPC向けの通信モジュールが伸びたものの、低調なスマホ需要によってスマホ向けが落ち込み、全体では1.1%の増収となっています。村田製作所は海外売上比率90%超で中華圏が全体売上の約6割を占めており、同事業は低迷する中国経済の影響をうけた形です。
下方修正の背景にゼロコロナ政策
翌2022/3期は経済活動の回復で増収増益となり、売上高・営業利益・最終利益はともに過去最高となりました。
コンポーネント事業は引き続きテレワークやオンライン教育の導入でPC向けコンデンサ類の販売が好調となり、インダクタもPC・自動車向けが大きく伸びました。一方でモジュール事業は製品ポートフォリオの見直しで低調が続く、スマホ向け製品の売上が減少しており、売上高が大きく落ち込みました。
2023/3期の売上高は当初1兆9300億円と予想されていましたが、第2四半期で1兆8200億円に下方修正しており、2022/3期並みの水準を見込んでいるようです。ゼロコロナ政策が敷かれている中国では景気の停滞でスマホ需要が落ち込んでおり、それによって同社の業績も伸び悩んでいます。