監視カメラを社内中に設置…ベンチャー転職で遭遇した“40代社長”の本性
言うことがコロコロ変わるワンマン経営
「手に負えないのが社長そのものです。社長は言っていることが毎日コロコロ変わるからです。例えば『託児所を作ろう』とか、『モデル事務所を作って儲けよう』『登録者にはプレゼントを進呈しよう』と、思い付きでしか発言しない困った経営者なのです」
部下を信頼できずに、自分だけが動くという社長のスタンスが、坂本さんにとって、不思議でならなかったといいます。そこで誘ってくれた幹部の男性に問い詰めますが、幹部男性も「一緒に仕事をするまで知らなかった」と落胆するだけ。
「しかも幹部男性は社長を骨がない男だの、見せかけだけだのと悪口のオンパレード。一体この会社はどうなっているのって、毎日が戸惑いの連続でした」
幹部は親会社へ。残るは社長のイエスマンだけ
坂本さんを誘ってくれた幹部は、やがて親会社に異動となり、坂本さんは取り残されます。
「幹部は親会社にうまく取り入ったと噂になり、それが原因で、社長はますます部下を信頼できなくなる。さらにワンマンぶりを強化させました。息苦しいオフィスに残ったのは、社長のイエスマンたちだけ。『このままだと会社の存続の危機にみまわれるのでは』と危惧した私は、スターティングメンバーのうちの最年長の40代男性に、経営について問い詰めたのです」
ところが返ってきた答えは「親会社が文句を言わないうちは、この会社は大丈夫だから」の一言でした。
「つまり赤字にならなければ、社長のワンマン経営も許されるというわけです。社長だけがプレーヤーの個人商店に、僕は勤めているのだとわかると、目の前が真っ暗になりました」