大谷翔平、大坂なおみが広告塔“大手取引所”が「負債7兆円破産」でビットコインの未来は
FTXショックの余波はしばらく続く
加えて、FTX破産が暗号資産市場に大きな影を落とし続けている点には注意したい。前出のヨーロピアン氏は「ビットコイン投資信託のGBTCは大きく売り込まれ、多くの機関投資家が暗号資産投資から撤退しています」とし、こう続ける。
「連鎖倒産のリスクもあります。すでにレンディング(貸付)資金が焦げつき、暗号資産取引大手のGenesisが倒産の危機にあります。暗号資産関連プロジェクトの多くはFTXから資金援助を受け、その資金の多くをFTXの口座に入れていたようで、資金凍結でプロジェクト撤退に追い込まれるケースも増えそう」
さらにヨーロピアン氏は「破産処理が一巡すればビットコイン価格は底打ちして上昇に転じる」と予想するが、それは来年以降の話。FTXショックの余波はしばらく続く……。
FTXの設立から破産までの・歴史
【2017年】
11月・サム・バンクマン=フリード(SBF)が投資会社アラメダ・リサーチ設立
【2019年】
5月・SBFが取引所最大手バイナンスの出資を受けてFTX設立
7月・FTXが独自トークン・FTTの販売開始
【2020年】
10月・FTXがバイデン陣営に5000万ドル献金
【2021年】
1月・ソフトバンクやシンガポールの政府系ファンドなどから4億ドル調達
7月・メジャーVCのセコイアなどから9億ドル調達/バイナンスがFTX株を売却して、21億ドル相当のFTTやステーブルコインを取得
8月・FTXが暗号資産先物取引所「LedgerX」を買収/ハッキング被害を受けた日本の取引所Quoineなどに132億円の資金支援を実施
10月・ブラックロックなどから4億ドル調達
【2022年】
1月・FTX米国子会社がソフトバンクなどから4億ドル調達/FTX本体も4億ドル調達/20億ドルのファンド「FTX Ventures」設立
2月・FTXがQuoine親会社を買収して日本でFTXJPをサービスイン
5月・Terra財団発行のステーブルコインUSTが崩壊/テラショックでアラメダの貸出先が破産 ⇒ FTXが40億ドル資金援助?
10月20日・SBFが当局寄りの暗号資産規制案を公表して波紋を呼ぶ
10月29日・SBFが「CZはDCへ行けるっけ?」と皮肉ツイート
11月2日・「コインデスク」がアラメダの財務リスクについて報道
11月7日・チャンポン・ジャオ(CZ)が「FTTを売却する」とツイート
11月8日・バイナンスがFTXと買収に関して基本合意
11月9日・FTXが一切通知をせずに顧客資産の出金を停止/金融庁がFTXJPに業務停止命令
11月11日・FTXがチャプター11(日本の民事再生に類似)を申請
11月12日・ハッキング被害を受けてFTX資産の不正流出が判明
<取材・文/高城 泰(ミドルマン) 池垣 完(本誌) 図/ミューズグラフィック>
【ダニエル】
海外在住投資家。2015年から暗号資産投資を始め、バブル相場とDeFi(分散型金融)運用で資産は5億円を超えたがFTXショックでほとんどを失った(@Daniel58656357)
【ヨーロピアン】
暗号資産トレーダー。2015年から暗号資産投資を開始し、’17年バブルを経て資産は10億円超に。プログラミングと豊富な金融知識を生かしてプロ顔負けの運用を続ける(@sen_axis)