“中央アジアの北朝鮮”は謎ルールだらけ。出国前にスマホの画像を調べられ…
かつてシルクロードの中継地として栄え、その文化を現在に受け継ぐ中央アジアの国々。日本人観光客が多く訪れる地域ではないですが、それでもバックパッカーには人気があり、コロナ前は中央アジアを陸路で横断する人も少なくありませんでした。
この地域は日本人でも入国にはビザが必要な国も多く、なかでも大変とされたのがトルクメニスタン。豊富な地下資源をバックに発展を遂げるも独裁体制を敷いており、“謎の独裁国家”や“中央アジアの北朝鮮”などと呼ばれています。
世界一周の一環でトルクメニスタンに
日本人の個人旅行者向けのビザを認めておらず、多くの人は第三国に抜けるための移動という名目で発給してもらえるトランジットビザを利用。2016年に同国を訪れた内山俊和さん(仮名・32歳)もこのビザを使って入国。ネット上にもほとんど情報が載ってなかったこともあり、前々から興味があったといいます。
「26歳で会社を辞めて、約1年の予定で世界一周の旅を始めたんです。最初は東南アジアやインドを通る抜けるルートで計画を立てていましたが、中央アジアを横断するのも面白そうだなって。それで中国からキルギス、ウズベキスタンを抜けて、4か国目がトルクメニスタン。事前に聞いた話では陸路だと国境の入国審査が厳しいって聞いてましたが、思いほかフレンドリーであっさり通過できました」
幸先のよいスタートでしたが、入国するなり待ち受けていたのは大勢のタクシー運転手。「どこまで行くんだ!」と囲まれ、あまりの迫力に動揺したといいます。
外国人旅行者の主な移動手段はヒッチハイク?
「トルクメニスタンに来た最大の目的は、『地獄の門』という40年以上燃えたままの天然ガス田のクレーター。火山の噴火口っぽい見た目で気になっていたんです。けど、国境から300キロも離れており、どの運転手も強気に料金を吹っかけてきたんです。ただ、いったん近くの町まで乗り合いタクシーで移動し、そこで別のタクシーを拾ったほうが安いと聞いていたため、そのルートで行くことにしました」
しかし、国境から10キロほど離れたタシャウスという町に着いた彼が次なる交通手段として選んだのはヒッチハイク。バザール(市場)で食事をした後、街をブラブラしているとトラックの運転手だという男性に話しかけられ、交渉するとあっさりOK。しかも、料金も15米ドルと距離を考えればかなりの激安でした。