USJ貸切、花火大会…優待も魅力「アメックスグリーン」10年ぶり刷新の狙い
コロナ禍でキャッシュレス化が加速し、消費購買における決済手段の多様化が進んだ。電子マネーやQRコードのほか、クレジットカードも生活に欠かせないものとして定着している。
こうしたなか、かつては“ステータスの象徴”と位置づけられたクレジットカードの王道「アメリカン・エキスプレス」も、「アメリカン・エキスプレス・グリーン・カード」を10年ぶりにリニューアル。新たな商品開発を行い、新規ユーザー獲得に向けて動いている。
累計カード発行枚数は1億2000万枚以上を誇るアメックスが、時代の変遷とともに変わるユーザーニーズをどう捉え、事業を拡大させてきたのか。アメリカン・エキスプレス・インターナショナル社プロダクト担当副社長の山本尚氏に話を聞いた。
横浜にオフィスを開設するも戦争で撤退
1850年に貨物を運ぶ宅配便業者としてアメリカ合衆国ニューヨーク州に創設されたアメリカン・エキスプレス。1917年に日本オフィスを横浜に開設した当時はクレジットカード事業ではなく、アメリカ人などの訪日旅行者をサポートする事業がメインだった。
その後、第二次世界大戦の勃発によって一時撤退したものの、1954年には再び日本支社を設立。
当時の日本では、1964年の東京オリンピックから高度経済成長期にかけて、ダイナースクラブカードやJCB(当時の日本クレジットビューロー)といったクレジットカード事業が急成長していた。
プレミアムカードの先駆者として市場を拡大
他方、アメックスは1974年に日本円のトラベラーズ・チェックを発行し、日本人の海外観光旅行自由化後の海外渡航ニーズに合わせた事業を展開していく。
そしてバブル前夜の1980年、アメックスが日本で初めてクレジットカードを発行する。それが、今でもステータスの象徴として名高い「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」だったのだ。
「1980年に日本で初めて『アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード』を発行し、プレミアムカードの先駆者としてマーケットを拡大させてきました。1980年代のバブル経済が相まり、社会的ステータスへの憧れが顕著になっていたこと、そして他社が出していなかったプレミアムカードをいち早く発行することで、『アメックス=ステータス』というブランドの確立ができたと考えています」