FIFAがカネに屈した?カタールW杯を「クレイジーだ」と海外記者が批判する理由
世界最大のスポーツの祭典、カタールW杯。現地の物価高、円安、そして宿泊施設のトラブル、酒の禁止……過去の大会より苦戦を強いられた日本のサポーターはいかに戦っているのか? 大会が行われている中東カタールのドーハ中心部に記者がとんだ!
海外記者が見たカタールの真実
11月23日、森保ジャパンがドイツを破った快挙は“ジャイアントキリング”として世界中で報じられた。ただ、ピッチ外の事柄については各国の記者たちは何を感じているのだろうか。
中東初開催となったW杯については、批判の声も少なくない。ドイツのスポーツ誌『キッカー』のカールハインツ・ヴィルト記者は、訪れたスタジアムはどれもすばらしいとしながらも、大会で使用する8つの会場のうち7つが新設で、世界的なエネルギー不足が深刻化しているこの時代に、エコとはかけ離れていると呆れ顔だ。
「使用される首都ドーハ近郊の会場は最も離れているところでもわずか55km。いったいこんなに造ってどうするんだい? しかも夕方以降の会場は気温が25℃を下回っていても、エアコンがガンガンに効いている。私にはクレイジーとしか思えないよ(笑)」
「開催地としてふさわしいとは言えない」
英タブロイド紙『メール・オン・サンデー』のオリバー・ホルト記者は、スタジアムのボランティアはいい人ばかりで、現地での取材に不満はないとしつつも、カタールでの開催が正しかったかと聞かれたら「答えはノー」だと言った。
「本来、W杯はどんなサポーターに対してもウェルカムであるべき。ただ、ここではLGBTQの人たちは受け入れられていない。それにスタジアム建設では出稼ぎ労働者が6000人以上も命を落としたと言われているわけで、開催地としてふさわしいとは言えないよ」
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