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東京は高ストレスで、地方は低ストレスは真実か?地方で働くことのリアル

学び

変化に意欲的な経営者がいるか吟味が大切

 このサイクルを打破するには、トップである経営者が、変わろうとする強い理念を発信することが第一です。また、地方固有のカルチャーも大切です。静岡県西部地域の人々の気質を示す言葉のひとつに、「やらまいか精神」があります。「やってみよう」「試してみよう」の意味です。

 たしかに私の経験上、浜松市は新しいチャレンジに対して好奇心を示し、受け入れる土壌が強いと感じています。行政がDXを後押ししているのも心強い点です。

 以上のように、もし地方への移住やビジネスを考えるのであれば、どの地方都市に可能性があるか、変化に意欲的な経営者はいるか、自分と水が合うか、といった事前の吟味が大切です

 私の知人には、東京の大手企業に勤めながら、複業で週に3日ほど静岡県の企業にも籍を置き、働いている人がいます。また、東京に住みながらフルリモートで地方の企業に参画している人も。自然の中で働く「ワーケーション」などで、まずは現地のカルチャーや空気に触れてみるのもいいでしょう。

「地方は低ストレス」のイメージは危険

自然 社員

 この数年で、私たちはだいぶ自由に働き方を選べるようになりました。

 これまで地方都市の現実をお伝えしてきましたが、「東京は高ストレスで、地方は低ストレス」との安易なイメージに頼るのは危険です。冒頭の質問に戻れば、「東京がいい」「地方がいい」ではなく、それぞれの地域で何をするか、その地域のカルチャーと水が合うかが重要です。

 複業、テレワークと働き方の選択肢が増えたのですから、まずは地域の境を「越境」して、体験してみる。自分にとってwell–being(よく生きる)ために、どちらが合っているかは、そこから始めてみるのも良いと思います。

【「東京vs地方」からの卒業】
地方には地方のコストやストレスが存在。地方こそ高収益のビジネスモデルを。

<TEXT/沢渡あまね(ワークスタイル&組織開発専門家)>

1975年生まれ。作家/ワークスタイル&組織開発専門家。あまねキャリア株式会社CEO/株式会社NOKIOO顧問/浜松ワークスタイルLab所長/国内大手企業人事部門顧問ほか。『組織変革Lab』主宰、DX白書2023有識者委員など。日産自動車、NTTデータなどを経て現職。400以上の企業・自治体・官公庁で、働き方改革、組織変革、マネジメント変革の支援・講演および執筆・メディア出演を行う。著書に累計25万部の『問題地図』シリーズ(『職場の問題地図』『仕事の問題地図』『働き方の問題地図』など、いずれも技術評論社)をはじめ、『新時代を生き抜く越境思考』(同社)、『職場の科学』(文藝春秋)、『チームの生産性をあげる。』(ダイヤモンド社)など多数

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