老人キラーが出世する当たり前の理由。“面倒な上司”の気分を読み解くコツ
自分は悪くないと確信していたのに…
たとえば、私が若い頃、クライアントとレストランで食事をしているとき、私が言った一言が先方の逆鱗にふれてしまい、いきなり、「てめえ、この野郎! ふざけんじゃねぇ!!」と大声で怒られたことがあります。
周囲にはたくさんの見知らぬお客さんもいて、不安そうにこちらを見ています。内心、「自分は悪くない!」と確信していましたが、素直に「すみません」と頭を下げ続けました。その後もことあるごとに相手を褒めたり、自分が悪くなくても謝ったりと、距離を詰め続けました。
おかげで、人生を変えるような大きな営業案件をゲットし、その結果、すばらしいビジネスパートナーに出会い、現在、多くのビジネスを展開しつつも、言論人として活動することができるようになりました。
正直、そのときは本当に腹が立ちましたが、「言葉は通じないけれども権力のある人」に対してキレずに、我慢強くお付き合いを続けたことで、大きなチャンスをもらい、それを活かすことができたのだと思っています(ちなみに、そのパワハラ野郎はいまではとっくに落ちぶれて、何をやっているのかわかりません。助ける義務もなければ、関心もないので放置です)。
パワハラされても思い詰める必要はない
いかに相手が嫌いでも、それはチャンスという名の入場券をもらうまでの戦略だと割り切って、やり切るしかありません。あくまで相手は、「言葉が通じない人」なので、ときには腹が立つことを言われることもあるでしょう。
ただ、ひとつ勘違いしないでほしいのですが、「この人は何なんだろう」と思う人に出会ったとしても、それはあなただけを特別に嫌っているわけではありません。おそらくその人は、どんな人に対しても同じことをしているはずです。むしろ、頻繁にやりすぎて、誰に嫌な態度を取ったかも覚えていない可能性が高い。
パワハラをされたからといって、「自分だけが嫌われてパワハラされているのだ」と思い詰める必要はありません。ほかの人も同じように腹を立てているはず。あなたの受けたパワハラは、あくまで“ワン・オブ・パワハラ”なんです。
だから、一度、嫌な目に遭った相手でも、その後、平気な顔をしていれば、相手もその事実を忘れていたり、気にしなかったりするものです。「この人は言葉が通じない人なのだ」とスルーして、自分のメリットを追い求めるのが一番です。