「給料ドロボーか!」部下を叱り飛ばす“パワハラ上司”が生まれるメカニズム
手のひら返しをする上司にご用心
問題解決はされずとも、部下に優しく接する状態が続けばいいのですが、あまりに社内が家族的になりすぎると、当然、経営は甘くなります。結果、業績が悪くなって会社が傾くような事件が起こりがちです。言葉が通じない人たちが、恐ろしいのは、このあとの行動です。
それまでは、「よしよし、かわいいな」と部下や社員たちを家族のようにかわいがっていたのに、ひとたび彼らの頭のなかで、「経営不振」という警戒サイレンが鳴り響くと、突然、別の人格が覚醒する。
「お前ら、何やってるんだ! もっと働け!」「てめえ、結果も出さない給料ドロボーか!」と部下や社員を叱り飛ばすパワハラ野郎に変貌するのです。
管理職としての仕事もおろそかに
これは何も経営者だけに限りません。管理職にもそういう人がいます。自分が上司という立場にいるのは、仕事を頑張ってきたおかげなのに、なぜか管理職になった途端に部下の細かい仕事をチェックせずに、「やっぱり大事なのは飲みニケーションだ!」と言い出して、夜ごとに部下を連れ回し始める。そして、肝心の管理職としての仕事はおろそかになる。
でも、会社の業績が悪くなると経営者に、「あいつは管理職としてちゃんとやっているのか?」と目をつけられるので、「ヤバい!」と焦って仕事を始める。そして、昨日までは飲みニケーションで仲よくしていた部下や後輩に対して、「お前ら、ちゃんと仕事してるのか!」「この数字どうなってるんだ?」といきなり相手を問い詰め出し、パワハラを始める。
どうでしょうか。こんな行動を取る人が、身近にいる人もきっと多いのではないでしょうか?