2980円ワンタッチテントは“入荷待ち”に。急増中の「半額専門店」のこだわりとは
2023年まで「500店舗達成」が目標
2023年まで「500店舗達成」を目標としているトーアマート。店舗を展開していくためには人材のほか供給商品数も増やす必要がある。そのため、社員が毎日のようにアイデアを持ち寄り、新商品を生みだしているのだとか。
「バラエティ豊かで面白いアイデアもどんどん飛び出します。たとえば、LEDが付いて夜間に光るペットの首輪、シリコン素材で柔らかな肌触りのUSB充電式首用カイロ。試験的に市場で販売すると反響もあり、人気となりました」
ほかの小売り会社からの転職組である西澤氏、「勤務期間はそれほど長くない」と言うが、現在は同社の事業戦略部部長を務めている。トーアマートは西澤氏をはじめ異業種の人材が集まっていて、さまざまな意見交換ができることも強みだという。
「私のように長いあいだ商品開発に携わっていると『売れないよね』と制御して思いつかないような商品も多いです。ちなみに、この冬一押しのアイテムは、驚きのやわらか枕『GEL PILLOW』。圧力を分散し、まるで無重力空間で眠っているような感覚が味わえます」
居抜き物件&奥まった立地からの今後
これまでは、出店コストを抑えるためにコンビニサイズの居抜き物件や奥まった立地を選択し、店舗を展開してきたトーアマート。今後は、もう少し大きなサイズでの店舗展開を考えていると言う。
「これまでのデータを分析した結果、今後は必要な品揃えを実現するために、いまよりも大きな100~150坪ほどの店舗を考えています。それに伴い、ロードサイド店も増えていくと思います。現在自社製品は1000アイテムほどありますが、さらに約1000アイテムの開発を進めており、この冬に続々と入荷予定です」
今後、どんどんと店舗や商品数も増える予定のトーアマートだが、1号店を出店して以降ずっと変わらないこともある。それは、チラシ広告をほとんど出していないこと。これにもならではの戦略があるようだ。
「トーアマートでは、一定期間だけ商品の値段を下げるといった安売りをしていないため、単純にチラシを出しにくいということもありますが、CMやチラシ広告をせずに商品の値段を抑え、消費者の皆様に還元する意図もあります」
ただし、新規オープンのときには、店舗付近の地域へチラシを配布することもあるそうだ。こまめにポストを確認しながら、新店舗の登場に期待したい。
<取材・文/夏川夏実>