悪用厳禁!依頼を断られない「会話のテクニック」を心理学のプロに聞く
人とのコミュニケーションの取り方で悩むことはありませんか。苦手な人と話せるようになるには、気になる人ともっと親密になるには……。これらの悩みは心理テクニックを身につけると解決できるかもしれません。
心理学をベースとしたコミュニケーションスキル向上のためのセミナーをいくつも開催しているビジネス心理研究家の神岡真司さん。2022年9月23日には『思い通りに人をあやつる心理テクニック101』(フォレスト出版)を出版しました。
35万部ものベストセラーとなった『ヤバい心理学』(日本文芸社)などを監修しているビジネス心理研究家の神岡さんから心理学を用いた円滑なコミュニケーションテクニックを聞きました。
心理学を学ぶきっかけは催眠術から
――心理学を学ぼうと思ったきっかけはなんでしょう?
神岡真司(以下、神岡):私は、大学で心理学を専攻したわけではないんですよ。化粧品会社で働いていた時に催眠術に凝っていたのですが、女性のかたに行っていたら結構好評だったんですね。例えば、退行催眠というもので20代の人の精神を10歳に戻したりね。誘導できる人と誘導しにくい人とかいるんですけど。
飲み会でもウケが良くて、みんなにおもしろがられました。催眠術は独学でコツを覚えまして、その過程で心理学にも手を伸ばしてこちらも独学で身につけました。
依頼を断られない「段階的依頼法」
――今回の本の「101テクニック」の中で特におすすめしたいものはなんですか?
神岡:「NOをYESにする」方法についてのテクニックでしょうか。まず、「段階的依頼法」という段階的に依頼を通していく方法です。例えば、お客さんに向けて300部もの資料を発送しないといけないという時、普通に「お願いします」と言っても量が多いですから、断られてしまうことがありますね。
断られないようにするには、10部、50部、100部と小さなお願いごとを重ねていくんです。人間は小さなお願いごとを断ることにストレスを持ってしまうものなんです。だからたとえあまり好きじゃない人相手でも「それくらいなら……」という感じで受けてくれるものなんですよ。
これは人が「はい」と承諾すると次も「はい」と言いやすくなる、「一貫性の原理」という習性を活かしています。同意を得られるような会話から始めていくことがコツです。足を一歩ドアに入れておくという意味合いの「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」とも言われています。これを覚えておくと誰かに依頼をする時に役立つと思います。