「最近の若者は…」が⼝癖だった50代上司。“部下の進⾔”に心動かされた結果
会議を通して様子に変化が
「会議後、少し悩みましたが、皆の雇用を守るためには若者の来店率を上げる必要があることを、SさんにLINEで伝えました。会議でも仰っていましたが、Sさんは昔ながらの百貨店が好きなんだと思います。それは僕も同じです。でも、僕たちの百貨店をこれからも存続させていくためには、時代を受け入れることが大切だと思うんです」
いつもならこのような意見には何かしらの反論をするSさんですが、今回に限っては雇用の危機感を抱いたのか、いつもの勢いが感じられません。そんなやり取りをしてからのSさんは、頻繁にスマホをチェックしている様子で、そのせいか洋介さんへのLINEの返信も滞っていました。
「LINEで言いすぎましたかね……。職場であれだけスマホを眺めているのにLINEの返事がいつも以上に遅いのは、Sさんの機嫌を損ねてしまったからでしょうか」
進言に心を動かされた上司は
しかしそのような洋介さんの心配もつかの間、徐々にSさんからのLINEも増え、さらには会議でも若い部下とも積極的に会話をする光景が目につくようになりました。
「今まで若い部下と話していても表情が硬いことが多かったSさんですが、あれほどいきいきと話している姿はよい意味でSさんらしくないなと思いながら眺めていました。それほどの大きな変化が垣間見えたので、僕からも少しずつLINEで今っぽい話題を持ちかけていったら、案の定乗ってきてくれました!」
どうやら洋介さんのLINEでの進言で、会社の危機を把握したSさん。自分達の保守的な思想転換の必然性に気づいたようです。スマホの返信が滞っていた理由もトレンド分析に忙しかったためで、今では積極的に話題に入ってくるようになりました。
「僕の言葉がSさんの心を動かしたみたいで、僕がリーダーを任されているフロア改造プロジェクトを応援してくれるまでに変わりました。たくさんの応援の言葉を頂きましたが、Sさんからの応援は特段うれしかったです」
<TEXT/ベルクちゃん>