「最近の若者は…」が⼝癖だった50代上司。“部下の進⾔”に心動かされた結果
インターネットやSNSの普及により、世の中の常識やトレンドが想像以上の速さで変化していく最近の世の中。一昔前に比べ、会社という組織の中でもジェネレーションギャップが顕著になってきています。
今回は、そんな新旧社員の間で繰り広げられた仕事にまつわるエピソードです。
バブル期入社の上司
話を聞いたのは、大手百貨店に勤める洋介さん(仮名・25歳)。古くから愛される老舗の百貨店で、多岐にわたる業務をこなしてきた洋介さんですが、上司との関係で少し気がかりなことがあるそうです。
「僕が入社した当初からお世話になっていて、面倒見のいい上司がいるんです。お得意のユーモアを交えた流暢なトークでいつも場を盛り上げてくれます。ただ、そんな上司でも苦手としている話題が『世の中のトレンド』なんです」
そんな洋介さんの50代の上司Sさんは、トレンドの話になると途端にトーンダウンして、険しい表情になってしまうそうです。
とにかくトレンドに鈍感な上司
LINE上においてもSさんの反応は顕著に現れます。洋介さんがLINEで最近の流行にまつわる話題を振りかけるも乗ってくることはなく、「最近の若者は~」と批判的な言葉で締めくくられ、話題は終わってしまうそうです。
「話題に乗ってくれないことに対する不満というより、話題についていく気のないスタンスがとても気がかりです。『最近の若者』発言はSさんの口癖なので軽く流しましたが……」
そんなとき、ある社内会議で若者のトレンドをふんだんに取り入れた企画が提案されました。若年層の客が減少している問題を解決するために打ち出された、社運をかけた大企画です。
「トレンドたっぷりの大企画なのでSさんの様子を見ていると、会議中はずっと異議を唱えていましたね。かつての百貨店の雰囲気が失われてしまうことを恐れているようでした」
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