「謎のセミナー」で変わってしまった友人が会社を辞めてまで選んだ道
必死で説得するも不発に
F男は聡さんとの会話内でやたらと「アジェンダ」「エビデンス」「コンセンサス」のような横文字英語を多用したり、聡さんに対して倫理的な話し方を求めたりするようになったそうです。聡さんは話をすることが次第に苦痛になり、徐々にF男から距離を取るようになってしまったといいます。
聡さんは、F男の変貌ぶりを友達のD子さんにLINEで相談してみることにしたそうです。すると、D子さんからは「放置が適当じゃない?」という返事が返ってくるだけでした。放置と言っても、それが原因で取り返しのつかないようなことになったらと、不安な気持ちで一杯な聡さんは、D子のアドバイスにそむき直接話すことにしたそう。
「D子には悪いと思ったんですが、我慢できずにF男と話す機会を作ったんです。最初はやんわりと忠告というか、あまりのめり込まないほうがよいというよな意見をぶつけました。でも、今のF男は全く聞く耳を持たずで、はっきり覚えていませんが、またもや横文字のオンパレードで論破してきたんです」
周りの総スカンで友人が目を覚ます
聡さんはF男の態度に半ば諦めを覚え、しばらくは距離を置こうと決めて連絡を控えることにしたそうです。それから少したって、F男からLINEメッセージが突然舞い込んできたそうです。それは「目が覚めた」という文章から始まっていました。どうやらF男は職場でもその会話口調が煙たがられるようになっていたようでした。
「どうも、F男は自分がYの教えに傾倒するだけでなく、職場でも同僚に限らず面識のない社員にも次々とセミナーへの勧誘を持ちかけていたみたいで、気がつけば周りから総スカンを食ったようでした」
以前のようなF男の自信満々な態度はどこかに消え、かなり落胆していたようです。極め付けは、Y曰く「セミナーの中途解約はF男の都合なので承服できない」と言われ、払い込んだセミナー代金の返却も拒否されたそうです。