「街をディスるネタ」のさじ加減が難しい…やさぐれ女芸人、薄幸の素顔に迫る
「健康に悪くて汚い」おつまみ。でも簡単
——幸さんのおつまみは作り方が簡単ですよね。できるだけ余分な工程を省いて、見た目をきれいにすることもなくて。
薄幸:そうです。ただうまくて、酒が進む。
——そこがちょっと新しいなと思ったんですよね。料理本を出すような女性タレントの方の料理って、やっぱり見た目が良かったり、健康に気を使っていたりするので。
薄幸:そうですね、私のは健康に悪くて汚い。でも簡単。私は料理しながら飲んじゃうので、手が込んでいるものを作ると、完成する前にお酒を何缶も空けちゃって、おつまみが要らなくなっちゃうんです。
寝る前に架空の世界での自分を想像していた
——あと、この本を読んでいて面白かったのが、幸さんが5歳から11歳までの間、架空の世界で女優として生活する自分を想像する遊びをしていたという話で。あれをちょっと詳しく聞きたいんですけど。
薄幸:ずっと寝る前にそういうことを考えていたんですよね。その世界では私は「シルバ・リカ」っていう名前の18歳の女優で、具体的にちゃんと毎日話が進んでいくんですよ。昨日はドラマの現場が終わったところまで進んだから、次は家に帰るところからだ、みたいな。もう本当に1つの世界を作っていて、現実で嫌なことがあってもその世界が楽しかったんです。
——それって毎晩寝る前に考えていたんですか?
薄幸:寝る前ですね。でも、ほかの時間に考えていることもありました。楽しくてしょうがなかったです。怖いですよね。
——いやいや、面白いなと思って。その世界では自分がどういう服を着ていて、どういう髪型をしているとか、そういう細かい設定も決まっていたんですか?
薄幸:宣材写真もあったんですけど、それは黒髪ロングで白ワンピース着て、お姉さん座りして、っていう写真でした。ちょっと風になびいているんですよ。それはすごく鮮明に覚えていますね。でも、そのときから女優なのにバラエティばかり出ていたので、もしかしたらバラエティのほうが好きだったのかもしれないです。女優になりたいとか言っていたけど。