“偶然”から生まれた「うまい棒」大ヒットフレーバー、値上げしても人気の秘密
開発期間が「はっきりしない」理由
めんたい味の開発には、かなりの時間を要したと予想されるが、「どれぐらいかかったかは、はっきりとしない」との返答。ほかのフレーバーの開発期間についても尋ねてみたが、どうもはっきりしない。しかし、これには理由があった。
「発売当初は新しい味の出る頻度も高く、既存の味も1~2年ぐらいで次の味に切り替わっていたのです。そのため、新しい味を考えてはいちど引き出しに仕舞っておいて、『いま、こういう味はどうかな?』と引っ張り出す感じでした。いまも同じやり方をしていて、毎回イチから作るというよりは『こういう味どうだろう?』と、同時並行的に考えながら進め、時期をみて商品化しています。種類の多さが、うまい棒の魅力のひとつ。そのため、流行りの味や珍しい味などにも対応できるよう努力しています」
リアルを追求しすぎて終売になった味も
うまい棒の新味は、不定期に発売される。難しいのは、「尖った味でもおいしいもの」にすること、そして「リアルすぎてもダメ」だということ。過去に海と山のものをうまく合わせて新しい味を作ろうとしたのだ。
「海のものとしてイカの粉を使用し、イカ焼きをステーキにしたようなイメージの、『マリンビーフ味』ですが、1年販売したかどうかという短命に終わりました。ほかにも、リアルな味を追求しすぎて失敗した『ギョ!the味』という商品もあります。有名店やおいしいと評判の店などから餃子を集め、すり潰すなどして研究・試作を繰り返しました。研究室はいつも、ニンニクのニオイで充満していたほど。けれど、リアルを追求しすぎたためか、こちらも万人受けせず1年ほどで終了しています」