夢を買い取る店で自分の夢を売ったら…挫折を経た作者が描く「独自の世界観」
当時の境遇を作品に落とし込んだ
──これまでに描いた作品で、もっとも印象深いものについて教えてください。
ミヤギ:やっぱり、挫折感であったり、幻想的な雰囲気が出ているものになりますね。例えば、漫画家になる夢を売りに行く男性がいて、鑑定士が“10年モノ”のその夢を2万円ぐらいで買い取ってくれると。主人公はそのお金でスーツを買って、次の人生に進んでいくというオチで。
──ロマンチックで、ちょっと心が苦しいようなお話ですね(笑)。まさに、ミヤギさんらしい作品だと思います。
ミヤギ:ありがとうございます。これは当時の自分の境遇そのままだったこともあり、思い出深い漫画です。
物語の外側まで想像できる作品を
──この作品もそうですが、4コマとは思えないような読後感がありますね。主人公は、4コマ目のあとにどうなるのかなと想像してしまいます。
ミヤギ:そこは大事にしている部分です。4つのコマで完結するというよりも、その後の物語も気になるような。物語の余韻というか、想像が膨らむような要素をどこかに入れておきたいんですよ。
──でも、その部分を追求していくと、色々な挫折のバリエーションを考える必要がありますね。
ミヤギ:それは、大丈夫だと思っています(笑)。映画制作に携わりたいと思った夢から、妥協しながら、今に辿り着いていますからね。まだまだ、ネタはたくさんあります!