まさかの緊急メンテも…DMMが「オンラインクレーンゲーム参入」の勝算を聞く
スピーディな印象だったが「それ以上でした」
そんな松縄氏だが、DMMグループには2020年5月に入社。新卒入社した東証一部上場のIT企業では史上最年少執行役員にも就任。メガベンチャーへの転職でギャップはなかったのか?
「もともと事業をスピーディにやる会社だと思っていましたが、それ以上でした(笑)。スピード感ももちろんだし、事業を拡大させていくために使う時間、考える時間がしっかりと取れますね。非上場会社なのでステークホルダーを気にしたり、社内のコンセンサスをカットできる。社内政治、社内調整が極端に少ない印象です」
実際、入社後COO室に配属され、新規事業の立ち上げに専念。DMMオンクレのCEO就任後は「会社経営もサービスもほとんど任されている」という。
「トップに報告するのは、サービスを大きく動かすときだけです。緊急メンテナンス時のリスタートも、なぜ防げなかったかの謝罪と説明はしっかりとしましたが、経営陣や会長の亀山(敬司)も含め、みな反応は温かったです。また説明が終わってからは、これからの事業の進め方の議論へとすぐに移ることができました」
ライト層へのアプローチ強化がカギに
とはいえ、事業責任者として「CEO職を責任として重く受け止め」つつも、事業をグロースさせることが第一の目標だという。
「クレーンゲーム好きの方には徐々にリーチできたと思う一方、様子見のライト層へのアプローチがまだまだ足りていないと思っています。なので、そこに向けて施策を練りつつ、ユーザー数を拡大していきたいです」
コロナ禍で拡大するオンラインクレーンゲーム市場。DMMの持ち前のスピード感で、今後どのようなサービスが出てくるのか注目していきたい。
<取材・文/シルバー井荻>