「人生の99%はうまくいかない」元幹部自衛官が明かす、それでも立ち上がる意味
良い環境であっても永続的には続かない
有名な大企業でも内情は激務で、休職者・離職者が絶えない状況であったり、ホワイト企業のように見えても、部署によっては過酷な労働環境があったりして、「世の中でうまくいっている人なんてほとんどいない」と気づきました。
もちろん人間関係が良好で働きやすそうな企業もありましたが、人事異動・吸収合併・経営不信などで職場の雰囲気がガラッと変わってしまうことも珍しくはありません。「良い環境であっても永続的には続かない」と私は感じたのです。
自衛隊しか知らなかった私は「自衛隊はなんてひどいところだ!」と思ったことが数知れずありましたが、民間企業に比べれば「自衛隊は決して悪いところじゃなかった」と思えるようになってきました。
自衛隊のほうがまだマシと思えるように
そうして私は時折「自衛隊を辞めないほうが良かったかなぁ…」と思いました。自衛隊は雇用が安定しており、民間企業の「失業したら飯が食えなくなる」というリアリティに満ちた苦しみに比べたら「自衛隊のほうがまだいい」という場面もあったからです。
「隣の芝生は青く見える」とよく言いますが、私も防大の同期から「マイホームを買った」「市ヶ谷勤務で目黒のマンションに住んでいる」などという話を聞くと、「自衛隊のほうがいいなぁ」と考えることもありました。
結局のところ、私の生きる軸はブレブレであり、立ち飲み屋で「人生なんてこんなもんさ」と飲みながら同僚と愚痴る日々が続きました。防大卒の幹部自衛官から、自衛隊を辞めて立ち飲み屋で仕事の愚痴をこぼす日々に変わったのです。