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プログラマー志望の新人が“パリピな営業部”配属に…社風が肌に合わず吐くまで

コラム

「関わったことのない人種」に苦労する

営業の先輩

 渡邉さんが就職したのは、IT企業の中では大規模な会社。入社前はスマートで合理的な社風を思い描いていたそうですが、実際は違ったそうです。

「自社のサービスの売り込みだけでなく、コンテンツ制作やWebマーケティングの提案などさまざまなメニューを売り込んでいます。やり方も、このコロナ禍の中でもとにかく先方に会ってから話せという体育会系なもの。始めの1か月ほどは先輩について営業先を回ったのですが、テレビ局や雑誌社、広告代理店などとにかく華やかなクライアントばかり。

 会う人がみなテンションも高く、自分がこれまでの人生で交流したことないような人種ばかり。一緒に回った先輩も、休日はサーフィンやDJをしているような完全なパリピ系で毎回『ノリが悪いぞ』と説教を受けていました」

出社するのも苦になっている

 思い描いていたような仕事でなく、さらに周りにいる先輩は苦手な人ばかり。そんな渡邉さんは、どんどん孤立していったそうです。

「いまでは1人で営業先に出向くのですが、うちの会社はノリが良いことで有名なので僕が行っても白けてしまい評判が悪いようです。無理に明るくしようとしても、空回ってしまい逆に気味悪がられる始末

 先輩や上司からも使えなくてノリの悪いやつという烙印を押され、うまく営業部になじんでいる同期とも仲良くできないままです。最近では、孤立感が深まって出社するのも苦になっています。自分でもメンタルがヤバいことがわかっているので、会社に配置転換をお願いしているところです」

 大企業であればあるほど希望の職種ですぐに働ける人材はごくわずか。渡邉さんも腐らずに頑張って欲しいところですが、くれぐれも無理はしないで早急に相談相手を見つけてほしいところです。

<TEXT/高橋マナブ イラスト/zzz(ズズズ)@zzz_illust

1979年生まれ。雑誌編集者→IT企業でニュースサイトの立ち上げ→民放テレビ局で番組制作と様々なエンタメ業界を渡り歩く。その後、フリーとなりエンタメ関連の記事執筆、映像編集など行っている

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