大阪王将だけじゃない…「一見きれいな店が危ない」不衛生な飲食店の実態
「冷蔵庫にナメクジがいる」「料理にコバエが混入したことも」――大阪王将の元従業員が7月24日に告発した悪質な衛生環境に飲食業界は震撼した。だがこれは氷山の一角にすぎない。飲食業界にはびこる闇を照らす。
飲食のプロも顔を背ける、不衛生さ
宮城県・仙台市にある大阪王将のフランチャイズ店に勤務していた元従業員の告発は、耳を覆いたくなるような内容だった。
「ナメクジ、コバエ、ゴキブリが大量発生しているさまをSNSを通じて告発。また冷蔵庫で保管すべき食材を常温で管理したり、腐りかけの豆腐を使ったり、店舗の屋外で野良猫を飼育していたことなどを問題視し、投稿しました。
事態を重く見た保健所は投稿が炎上した翌日に立ち入り検査を実施。『ナメクジは見つからなかった』と報告しましたが、元従業員は仙台市内で記者会見を開き、『料理の質で安かろう、悪かろうがあったとしても、衛生面であってはならない』と運営会社を痛烈に批判したのです」(地元紙記者)
問題の大阪王将の店舗はすでに閉店
かくして大炎上劇となった大阪王将の仙台中田店は、臨時休業となり、運営元のファイブエム商事の公式サイトで8月26日付で閉店すると告知された。ここまで衛生環境が悪い店舗はさすがに特異な事例だと信じたいが、大阪王将が年に一度行った衛生監査では、当該店舗はセーフだったのだろうか?
「仙台中田店はギリギリ合格であるC判定だと聞いています。それより悪いD判定の店舗が3店舗あったとか。この衛生監査は騒動が起きる前に行われているので、額面通りには受け取りづらい」(前出の地元紙記者)
騒動を受けて大阪王将は5~7月に行った衛生検査結果を公表したが、D判定は3店(当該店舗の判定は非公開)。同社は、D判定の店は清掃作業などをしてB判定になるまで審査を繰り返す、としている。
ほかの飲食店に目を向けても、衛生まわりの不祥事は枚挙に暇がない。虫の発生、異物混入、アルバイトによる人為的な不祥事などが定期的に報道されている。
今、飲食業界にいったい何が起きているのか。