観光はせず、食事は日本食…“旅行嫌いリーマン”が海外出張に行った顛末
世界各国で新型コロナによる入国規制の撤廃・緩和が進み、以前ほどではないにせよ企業の海外出張・赴任などが再び増えてきました。数日の滞在から月単位の長期の滞在までケースはさまざま。でも、普段から会社と自宅の往復でプライベートも家にこもりがちな若者は、海外出張の際にどのように過ごしているのでしょうか?
出張で1か月滞在したのはタイの田舎町
「日本でも海外でも基本的には変わらないですね。仕事と自宅代わりのコンドミニアムを行き来するだけで、あとは買い物などで近所に外出するくらいです」
そう話すのは、今年、出張で1か月タイに滞在したというメーカー社員の桑原聡さん(仮名・30歳)。ちなみに滞在先は首都バンコクではなく、そこから100キロほど離れたシラチャという港町。近くの工業団地に会社の工場があり、新しい設備を導入したため、その機械の操作に精通していた彼が派遣されたといいます。
「もともとこうしたエンジニアの海外出張は比較的多い会社ですが、私はこのときが初めて。ただ、個人的には海外旅行なんてまったく興味ないし、ただ面倒なだけ。でも、給料をもらっている身ですし、断るなんてできないじゃないですか。まあ、日本とタイって違いはあるにせよ、家で引きこもるっていう生活は一緒でしたけどね(笑)」
人と食事をしたのは2回だけ
仕事は朝8時からでしたが工場までは車で30分かかり、迎えのワゴン車は7時に来るので毎朝6時には起床。滞在先のシラチャは周辺に日系企業の工場が多数あり、同じコンドミニアムには大勢の日本人がいたとか。ただし、仲良くなった人はおらず、同じ工場で働く人と会っても挨拶を交わす程度だったそうです。
「部署が違うから接点がほとんどないんです。それでも最初に歓迎会を兼ねた食事会を開いてくれて、近くの日本料理屋に行きましたが私はお酒がダメなので食事をしただけで1時間ほどで終了。私は人見知りでこういう席が苦手だったため、それからはご飯に誘われても適当に理由をつけて断っていました。だから、滞在中に誰かと食事に行ったのは帰国前の送別会と合わせて2回だけでした」