恋したリケジョは「コンドームの開発者」。いきなり試作品を手渡されるお仕事
いつか単行本に「コラボコンドーム」を
――コンドーム関連以外で取材が本編に生かされたことはありますか?
モリ:取材旅行で宮城県の松島を訪れたことですかね。当日は雨が降っていたので、作中でも同じ天気にしました。それが場面とすごくハマりまして。自分で考えるとわざわざ雨にしないというか、「傘を描くのが面倒くさい……」ってなるじゃないですか(笑)。該当のシーンは実体験がなければ生まれなかったと思います。
――モリさん自身、本作を通してコンドームに関するイメージは変わりましたか?
モリ:うしろめたい感覚は完全になくなりましたね。作画資料のコンドームひとつとっても、前はいちいち引き出しにしまっていましたが、今は机の上に出しっぱなしです。当時の編集長がゲッサン(少年誌)の付録にコンドームをつけようと言ってきたこともありました(笑)。ある意味、僕も担当さんたちも感覚が麻痺していると思います。ただ、そもそもコンドームはいかがわしいものではなく、大切な医療機器です。僕たちほどではなくていいので、もっと身近でポップなイメージになってほしいですね。
――今後「ムスブさん」と現実のコンドームがコラボする可能性はありますか?
モリ:単行本にコラボコンドームをつけたいですねと担当さんとよく話しているので、いつか叶うといいなと思ってます! それを実現するためにもぜひ『ムスブさん』の応援よろしくお願いします!
<取材・文/日比生梨香子 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>
【モリタイシ】
1976年生まれ。2000年、「週刊少年サンデー超」掲載の『招福祈願ダルマイト・ガイ』でデビュー。作品は『いでじゅう!』『まねこい』『今日のあすかショー』『くちびるに歌を(原作:中田永一)』など。現在、窪田正孝主演でドラマ化した『ラジエーションハウス』(原作:横幕智裕)と、『あそこではたらくムスブさん』を連載中