検索履歴や位置情報がダダ漏れに…個人情報が売買されるカラクリとは
拡大し続けるネット広告の仕組み
ネット広告は広告主の希望に沿った層にメッセージを届けられるのが強み。従来のCMや街頭広告とは異なり、どのくらいリーチできたかを可視化できるのもメリットだ。
そうした強みもあり、ネット広告の市場は拡大している。電通の調査では、2019年にはこれまで最多だった地上波テレビ広告(1兆7345億円)をネット広告(2兆1048億円)が初めて上回り、2021年まで首位を継続している。
個人情報の利用はモラルで成り立っている
ただし、問題も山積み状態だ。前出の太田氏が続ける。
「実際にどこまで個人情報の収集が可能なのかといえば、そのサイトに入力したパスワードなどのログイン情報まで集めることができます。氏名やカード番号といった機密も当然、抜こうと思えば抜ける。
これらは不正に第三者へ渡ると個人情報保護法違反として罰せられますが、一方でこれまで何を見た、買ったなどの行動履歴は同法では罰せられないのです。どこまで情報を収集して流し、それを利用するか。ネット広告は広告事業者のモラルで成り立っている面が大きいのです」