こき使われるだけ?「タダ働き」で終わらない人の“成功と失敗”の分岐点
タダでこき使われて終わらないために
ひとつ気を付けなくてはいけないのは、「なんでもやります! タダでいいから働かせてください!」というスタンスでいると、いいように使われて成長もできずに終わってしまうということです。どんな仕事でも成長できるわけではありません。
向こうから「今回だけはタダでお願いしたいんだけど、これで実績ができたら次からは有償でお願いするし、実績に応じて単価も上げていくから」と持ちかけられるケースも要注意です。搾取される典型的な例ですし、多くの場合、単価もそれほど上がりません。タダ働きだけさせられて次の発注はないこともあります。
タダで受けた仕事はあくまで「タダだから」発注されている仕事であって、その仕事を継続して少しずつ単価を上げていこうなどと考えてはいけません。
経験と実績を引っ提げて案件を獲る
「タダ働き」で得た知識・経験・実績は、それを引っ提げて“別の”高単価案件の受注につなげるのが正しい活かし方です。大きな仕事を任された実績があると、独立したてで何の実績がない状態よりもはるかに高単価案件を受注しやすくなります。
私は一度独立に失敗しています。その頃の私は高単価人材にはほど遠く、一度就職して次の独立をなんとかして成功させる方法を考えました。それで思いついたのがこの「タダ働きで自分を一気に成長させる」方法です。
就職先でWebサイトの営業をしながら、知人の会社のサービスサイト制作を無償で請け負って経験を積みました。実際に自分でやってみると実務の内容がよく分かるので、以降に企画やディレクションをする際にも全体を見通しやすくなります。
このサイト制作が実績になり、二度目の独立は順調なスタートを切ることができました。1つでも制作の実績があると、何も実績がないより格段に営業がしやすいのです。副業NGの会社に勤めながらでも、タダでなら働けるという利点もあります。実際私の就職先は副業NGだったため、タダ働きでなければ経験を積むことはできなかったでしょう。