残業代月20万円でも地獄…30歳・公務員が嘆く“花形部署”のブラックぶり
世間では民間企業よりも楽と思われがち市町村役場勤務の地方公務員。そのイメージは決して間違ってはいないようですが、現場で働く人たちに聞くと「なかにはブラック部署もある」といった声も。
なかでも1人あたりの仕事量が群を抜いて多いと言われているのが財政課。自治体の予算編成や決算を担当する重要な部署で、エリートコースとも評される花形部署のひとつです。
残業時間がエグい部署に異動
しかし、定時終業の部署が多いなか、財政課は残業が足り前。某県市役所で働く坂元聡和さん(仮名・30歳)は昨年春に財政課に異動になったそうですが、「噂には聞いていたけど、ここまでハードとは思わなかった」と漏らします。
「地方公務員を選んだのは雇用の保障と収入の安定性もありますが、プライベートの時間もしっかり確保できそうだったからです。これまで総務課と納税課にいたのですが、どちらもそこまで忙しくはなかったんです。
それが財政課に移って1年目の去年は、予算編成シーズンの10月から年明けの2月ごろまではほぼ毎日残業。予算を扱う部署なので在宅リモート勤務とも無縁ですし、日付が変わるころまで作業することもザラ。1番ひどい時は夜中の2~3時まで仕事していました」
この時期の月の総残業時間は毎月100時間を突破。ピーク時には200時間に迫ったといいます。
上司に目をかけられたことがアダに
ちなみに坂元さんは地元国立大の出身。難関大というほどではないですが地元では羨望の眼差しで見られることも珍しくなく、OBには現役幹部職員も多いとか。そうしたことから入職時から目をかけられてしまったそうです。
「出世願望や上昇志向の強い人なら喜ばしいことでしょうけど、国立といっても駅弁大学(第二次世界大戦後に新設された新制国立大学の俗称)の出身でしかない自分が、こんな扱いされるなんて想定していませんでした」
特に辛かったのは結婚2年目で財政課に異動となり、妻や昨年生まれたばかりの子供と一緒に過ごす時間がほとんどなかったことだとか。