「ゆるキャン△」ご当地グルメのウソorホント。地元県民が“ゆる~く”解説
「甘いタレを塗った江戸前寿司」も
また、最近は見る機会が少なくなったものの、かつて山梨の寿司といえば「甘いタレを塗った江戸前寿司」という認識が強かった。この甘いタレによる味付けは「魚尻線」(冷蔵技術がない時代に港から内陸に生魚を運ぶ限界)のギリギリに位置する甲府に魚を届けるためで、冷凍技術が発達した現代でもその文化がまだ根付いている。
ちなみに総務省統計局「経済センサス」によると、山梨県は「人口当たりの寿司店の数」も全国1位である。
山梨ならではのおもてなし文化がある
山梨県に来た際、泊まった旅館の食事を見て「なぜ自分は山梨で鮪や鮑を食べさせられてるんだ?」「なぜわざわざ寿司に濃いタレを塗ってあるの?」と疑問に思う人も多いであろう。もともと保存が理由であり、濃いめで人を選ぶタイプの味なので口に合わないかもしれない。
しかしこれこそが「海なし県でも魚の味を楽しみたい」、そして海産物へのあこがれによる「来客があれば海の幸を出してあげたい」という「山梨ならではのおもてなし文化」なのだということを実感して欲しい。
さて、ゆるキャン△の作中では、地元グルメ以外にも「高校生のバイク通学事情」など、山梨県の中山間地ならではの文化が登場する。いずれはそうした「ゆるキャン△メンバーの日常生活」についても「ジモト目線」で解説していきたいと思う。
<取材・文・撮影/芝海しばうみ 若杉優貴>