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資産が目減りする前に!米ドル、人民元…今こそ狙うべき世界の通貨4選

コラム

実は手堅いロシアの外貨・経済政策

ロシア 

 なお、実はロシアルーブルは定量的な分析において前記の通貨のうちで最もよい数値をたたき出しています。実はロシアの外貨政策や経済政策は非常に手堅いものなのです。私もウクライナ侵攻が始まるまでは保有していましたが、そこで一旦どうなるかわからないため手放しています。

 これは自分の相場観とは別で、経済制裁の影響で金融機関が銀行間取引において取引相手が見つからない可能性が高まり、十分なロシアルーブルの流動性(取引が容易に行える環境)を確保できず、日本から取引ができなくなるリスクが高まりましたので、リスクをコントロールできないという観点で手放しました。

 ロシアルーブルに関してはまだまだ取引を制限している金融機関が多いと思いますし、今後も取引制限が課される可能性が高いので、価格はさらに上昇するかもしれませんが、オペレーションのリスクを勘案して、少なくとも日本国内からの取引はおススメしません。

 以上、少し長くなりましたが、中長期の為替相場展望についてお伝えしてきました。

<TEXT/金融アナリスト 戸田裕大>

若竹コンサルティング創業者。2007年、中央大学法学部卒業後、三井住友銀行へ入行。2019年9月、CEIBS(China Europe International Business School)にて経営学修士を取得。現在は法人向けに、為替市場調査と為替リスク管理に関するコンサルティング業務を提供するかたわら、為替相場講演会に多数、登壇

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