「寄り添う、って言葉が嫌い」シリア難民キャンプで教育支援をする日本人女性の覚悟
「国境なき子どもたち」は、途上国の子供たちに教育機会を提供し自立支援をする認定NPO法人です。
明日はシリア難民キャンプのいま。内戦勃発から7年、先の見えない不安が子ども達にもたらしているものとは…。混沌の地で女ひとり悪戦苦闘を続けるNPO職員に密着です。9日夜11時 #情熱大陸 #mbs #tbs #難民 #NPO pic.twitter.com/xfsKXRVjMT
— 情熱大陸 (@jounetsu) 2018年9月8日
そこに所属して、難民キャンプで子供たちに教育の支援をするという途方もない仕事に取り組んでいる松永晴子さん(38)。彼女の活躍が、9月9日の『情熱大陸』(TBS)で放送されました。
「地上の地獄」のすぐ隣で子どもたちを教育する
1980年、愛知県出身の松永さんは、小さい頃から芸術が好きで、筑波大学大学院芸術研究科芸術学彫塑分野を修了します。卒業後は、制作を続けながら日本やベトナムで美術教師を勤めました。
31歳のとき、彼女は2011年にアラブのカルチャーに興味を持ったことをきっかけにヨルダンに渡り、2014年に「国境なき子どもたち」で活動を始めます。
彼女が教育支援を行っているのは、シリアからわずか15キロしか離れていないところにあるヨルダンの「ザータリ難民キャンプ」。「アラブの春」のひとつとして始まったシリア内戦は長期化し、第二次世界大戦以来、最大の人道危機とも言われています。
2018年3月にも東グータ地域で空爆があり、国連のアントニオ・グテレス事務総長は「“地上の地獄”に等しい状況にある」と言及。過酷な状況に置かれた子供たちは、満足な教育を受けることもできず、取り巻く環境も大変厳しいものです。
心に深い傷を負った子どもたちに悪戦苦闘
番組では、難民キャンプに住む子供たちの夏休みの課外授業の様子が放映されましたが、一筋縄ではいきません。
紛争によって心に深い傷を負い、教育の機会を失った子供たちは、たびたび問題行動を起こします。授業中に取っ組み合いのケンカになったり、じっとできず屋外へ飛び出したりするなど、彼女も困り果てていました。
彼女は番組の中で「私が目指しているのは、彼らが大人になったとき、自力で物事ができるようになることが重要」だと語っています。