投票先はどう選ぶべき?参院選候補者の“ライブパフォーマンス”を楽しもう
東京大学中退の経歴で、マルチに活躍するラッパー・ダースレイダー(45歳・@DARTHREIDER)の連載「時事問題に吠える!」では現代に起きている政治や社会の問題に斬り込む。
2022年6月22日に公示された第26回参議院選挙。ここから7月10日の投開票日の前日まで選挙運動が続く。6年の任期(3年ごとに半数改選)で、腰を据えた議論を行う参議院。その「メンバー」を候補者の中からどのように選ぶべきか?
ダースレイダーが今回の参議院選挙への意見を語った(以下、ダースレイダー氏の寄稿)。
選挙は「自分の考え」を確認する機会
選挙には国政選挙、自治体選挙と種類がありますが、僕は有権者になってからは自分が投票できるものにはすべて参加してきました。なぜならば、選挙とは民主主義という日本の社会システムの一環だからです。僕は常々、日本はまだ民主主義国家になっていないと発言しています。民主主義とは、文字通り「民が主」だということ。日本にはそう思っていない国民がまだまだ多いのではないかと思うんです。
民主主義では、自分が社会に対してどう考えているのかが大事になります。自分が参加している社会、つまり自分の住む自治体から国家規模までを、自分を主体として考えたときに「こういう場所に暮らしたい」、あるいは「将来、子どもたちがこんな暮らしをしているといいな」と想像して選挙に参加するのです。
なので僕は、選挙に参加するタイミング、今回で言えば7月10日までの投開票日までは、“自分がどう考えているのかを確認する機会”として捉えています。
187票差で無所属新人が勝った杉並区長選挙
投票結果によって少なくとも直後の任期の政治は変わります。例えば、東京都杉並区在住の僕には6月19日に杉並区長選がありました。そこで12年間区長であった田中良さんから、無所属新人の岸本さとこさんへと変わりました。その差は187票でした。杉並区って50万以上の人が住んでいる大きな自治体なんですけど、そのトップが187票差で決まるのは、なかなかピリッとするものがあって、すごく面白いなと思っています。
田中さんは国政とのパイプが繋がっている状態で杉並区の行政をやっていたのに対して、公共サービス研究家の岸本さんは市民団体が実績から立候補を依頼した候補で、自分たちで決める自治体としてやっていくんだと主張していました。これは単純に、どちらかの陣営がもう200票違っていたら結果が逆転していたわけです。
ドイツのアムステルダムを拠点とする政策シンクタンクNGOの研究員だった岸本さんは、そこで学んできたことに基づいた市政運営をしていくと思いますが、田中さんが12年間作ってきた体制をどうやって変えるのか非常に楽しみです。