大手テレビ局Pが語る「情報は怖い」の真意。人の命に影響が出ることも
人の命に影響が出るほど「情報は怖い」
――技術がどこから流れているか確認できないんですか?
川嶋:過去に、中国経由で北朝鮮に発射台として使われる車両が提供されているという情報が新聞に書かれたことがあります。「誰がリークしたんだ」と内部で揉めたようです。
――下手に入り込むと人の命にまで影響が出るということですね。
川嶋:それくらい情報は怖いということなのです。
金正男の家族が日本にいる?
――金正男の家族が日本にいるという描写がありますが、これは事実でしょうか?
川嶋:そのような噂はあります。金正男は中国とマレーシアに移住地と言っていいほど、長く滞在する場所があるのですが、そこにはいずれも第2夫人、第3夫人と言われる奥さんと子どもたちがいます。
日本にも相当な頻度で訪れていて、来れば赤坂見附の高級クラブのVIPにいたり、伊豆高級温泉宿に泊まったりしていたと言われています。よく通っていた場所に愛人と称される女性がいたこともあり、滞在歴を考えると、日本にも金正男の家族がいてもおかしくないと。
――戦闘シーンはアニメや実写など映像化に向いていますね。初めから映像化を狙っていたのですか?
川嶋:そうですね。執筆の際テレビプロデューサーから受けたアドバイスを盛り込んだりしたのですが、担当編集に「そのネタは映像化の際に使ってください」と言われてしまいました。戦闘シーンもリアルに書いたのですが、ボツを食いました。なので映像化の時に激しいアクションシーンを盛り込んでもらおうと思っています。
――映像化の際はどの監督に撮ってもらいたいとかありますか?
川嶋:昔からの仲間で、「映画を撮りたい」と言っている人がいて、一緒に作れたらと思っております。しかし、まずは映像化より先にこの小説を出版してくださった徳間書店さんを赤字にしないことが第一目標です。
<取材・文・撮影/山崎尚哉>
【川嶋芳生】
1970年生まれ。大学卒業後、某大手テレビ局入社。報道記者として海上保安庁を担当。2001年に東シナ海で発生した朝鮮民主主義人民共和国の不審船による九州南西海域工作船事件のほか、2017年大陸間弾道ミサイル発射など、多くの事件や事変を担当。アメリカ連邦捜査局(FBI)捜査官を取材したほか、金ファミリーや北朝鮮の現役工作員へのインタビューを敢行。現在、旧東ドイツの諜報機関・シュタージに関する取材も続けている現役のTVプロデューサー