店員に“投げ銭”できる居酒屋。「100ポイント=10円」でも好評なワケは
どれくらいが従業員に還元されるのか
“還元率”という言葉が出たが、従業員が獲得したポイントはどのように反映されるのか。
「『100ポイント=10円』の換算なります。例えば、1000ポイントいただいた従業員は、その7割にあたる700ポイント。つまり70円が給料に上乗せされるイメージです」(田村氏)と、一見少なそうに思えるが、お客さんは1回の来店ごとに100ポイント付与され、110円で1000ポイント購入できる。
お客さんがポイントを獲得するハードルは低いとあって、一攫千金とはいかないものの、頑張った自分へのご褒美に使えるだけの収入にはなりそうだ。
体験重視の飲食店を目指す
画期的ではあるものの、自分のペースで働きたい従業員も一定数いるため、多少なりとも職場がギクシャクしそうだが、現場の空気はどうなのだろうか。
「ランキング上位の店舗や個人に対して、何かしらのインセンティブがあるわけではなく、あくまで個人完結の取り組みです。投げ銭を獲得したいスタッフは積極的に働き、自分のペースで働きたいスタッフは自分のペースで仕事ができており、バランスはとれているように感じます」
投げ銭制度を導入して以降、試行錯誤を重ねて従業員の負担にならないように工夫しているという。
「昨今の飲食店は“食”の価値はもちろん、“体験”の価値も重視されています。今までは、オンライン上でしか“投げ銭”を体験はできませんでした。リアル店舗に落とし込むことにより、飲食店としての食の価値向上だけでなく、体験を提供していくことで、飲食店をよりトータルで楽しんでもらえるよう努めます」
投げ銭制度が一般化すれば、新型コロナウィルスの影響によって飲食業界を飲食業界全体を後“推し”ことができるかもしれない。