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元AKB48の29歳・起業家に聞いた「パワポも知らなかった」試行錯誤の日々

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 元AKB48の島田晴香さん@shimada_hrk1216)が、アイドルのセカンドキャリアを後押しする株式会社Dct(本社:東京都渋谷区)を設立した。2009年にアイドルグループ「AKB48」に加入し、歌やダンスで多くのファンを魅了した島田さん。

島田晴香

提供=島田晴香

 2017年に同グループを卒業し、芸能界から引退すると、語学留学や一般企業への就職を経て、2020年5月に同社を立ち上げた。今まさにセカンドキャリアを送っている島田さんは、芸能界の後輩たちのため「新たな選択肢」を作ろうと精力的な活動を続けている。

留学先で気づいた「セカンドキャリア」

 芸能界を引退したあと、イギリスのロンドンに1年間語学留学をしていた島田さん。現役時代にセカンドキャリアについて考えたことはなかったが、留学先でさまざまな国や職種の人々と交流するうちに「私は今、セカンドキャリアを歩んでいる最中だ」と気づく。

「卒業後はスポーツ関連の仕事をしたいという思いがありました。留学先でスポーツ選手のセカンドキャリアに関する話を聞いているうち『そういえばアイドルのセカンドキャリアはどうなっているんだろう』と疑問がわいて。そのときは会社を立ち上げることまでは考えていませんでしたが、思えばそれがはじまりです」

「アイドル文化」が根付いている日本。それだけに、アイドルのセカンドキャリアに関する問題はもっと真剣に考えていくべきなのでは、という思いを抱くようになったという。

「私の場合は、卒業をする際『次の目標は芸能界ではない』とはっきり結論を出せたため次への第一歩を踏み出せました。だけど、分かりやすいきっかけがないと踏み出せない人だって多いはず。それに、中学生・高校生から芸能界にいてバイト経験もないとなると、どうやったら一般的な職種につけるかという発想すら浮かばないんです」

「芸能界じゃないと生きていけない」

島田晴香

提供=島田晴香

 島田さんの身近な例だけでも、アイドルを卒業してから一般企業に入るという道を歩んでいる人はほんの数人だったという。そしてたいていはアイドル活動のかたわら大学に通うなど、一定の学歴を得てから就職した人たちばかりだった。

「アイドルを卒業し、芸能界で生きていくことを選んだとしても、どうしても『売れる・売れない』という問題に直面します。それに、現役時代よりお給料が少なくなってしまう状況で、どう生活をするのかという難しさもあります。誰に相談をしたらいいか分からない、もしくは自分のスキルや学歴にコンプレックスがあるという場合は『やはり芸能界じゃないとやっていけないんじゃないか』という考えに縛られてしまうパターンも多いんです」

 島田さん自身、大学に通っていたものの卒業は叶わず、中退という形になったこともあり、学歴へのコンプレックスを抱いていたとか。

「セカンドキャリアについて考えるうち、後輩たちのためにもすぐに起業をしたいという思いが強くなりましたね。だけど、その前にまずは私が社会経験を積み、社会にもまれるべきだと感じました

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