定年後「抜け殻」状態になる人とは…今からでも行動できること
上司に何度も怒鳴りつけられた20代
私の20代は、商社のエネルギー部門で、ただがむしゃらに働いていました。ものを売るという営業一筋でした。毎日、お客様のところに通い、情報提供をして、頭を下げていました。お客様の前で失敗もやらかし、上司に何度も怒鳴りつけられました。
当時は、「なんとか叱られないようになりたい」「うるさい上司を見返してやりたい」としか考えていませんでした。今からすると、非常に単純でした。
30代の7年間は、米国ロサンゼルスで勤務していました。駐在期間の前半は、毎日の貿易業務、後半は、米国の小さな会社とコジェネレーション(発電とお湯の供給システム)の合弁会社を創ってそこで死にもの狂いで働きました。会社に提案するだとか、新会社を創るなどということが少しわかってきた頃だと思います。人を動かす必要性についても少しだけ気がついてきた頃です。
40歳で訪れたニューヨーク転勤
30代後半には、エネルギー部門から情報産業部門に公募で異動しました。当時の商社は、一旦ある部門に配属されたら、一生同じ部門で働くのが普通でした。たまたま、情報産業部門に新しく映像コンテンツの課を作るということで立候補する機会に出合いました。異動後は右も左もわからず、人脈もなく、エンターテインメントの業界用語に振り回されていました。
40歳で、情報産業本部からニューヨーク転勤となり、3年間勤めました。今度は、エンターテインメントコンテンツのみならず、通信、電子端末などの分野も担当することになり、IT分野の投資や米国の会社との合弁会社の設立などにかかわりました。
縁あって、46歳で商社を退職し、エンターテインメント会社に転職。7年間役員をして、ベンチャーを1年やって、54歳で独立しました。こう書くと長いように見えますが、アッという間です。