<漫画>“心が傷つかなくなるシール”を貼った女性に起きた変化…CM撮影の苦労も
漫画執筆で本業で必要なスキルが磨かれた
──選択肢が多いと、取っ掛かりを見つけるのが大変ですよね。
コンテくん:あと、セリフもそうですね。吹き出しの大きさで印象がまったく変わってしまいますし。説明口調にならないように、どうやって無駄な言葉を減らそうとか。CMはどうしても説明的なセリフが多いので、そこらへんは最初苦労したかもしれません。
──それだけ苦労したということは、当初の目標通りクリエイティブの幅は広がったという想いはありますか?
コンテくん:CMは伝えるべき要素をギュッと凝縮する作業が必要なんですが、そのスキルが磨かれたように思います。1コマでどう表現するか。先ほどのセリフの話でもそうですね。
例えば、誰かが後ろに立っている描写があったときに、今までだったら「え? 後ろに誰かいる?」といった説明的なセリフを書きがちでしたが、漫画を通して「え? なに?」というような感情を込めやすく、厚みのあるセリフを書けるようになりました。
面白い表現に出会えたと思う
──そういう相乗効果が生まれたことで、どちらにも軸足を置きながら活動しようと決心されたのですね。
コンテくん:そうですね。それに、独り立ちして活動するよりも、組織の中で生きていたいタイプでもあったので(笑)。両方の活動でうまくバランスを取れている感じです。それに、漫画はCMと違って、企画、撮影、照明、美術、キャスティング、編集といった工程が全部ひとりでできちゃうのが魅力ですね。
あと、短期スパンで制作ができますし、SNSにアップするとリアクションもダイレクトに得られるのが新鮮で。面白い表現に出会えたと思っています。
<取材・文/橋本未来>
【コンテくん】
某CM制作会社でプランナーと兼業しながら漫画作品も執筆。「男子校エッセイ」「チビエッセイ」「CM業界エッセイ」など、自身の体験を活かしたエッセイ漫画を数多く発表している。
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