資産400万円でセミリタイア!食費は月1万円、28歳“底辺FIRE”のリアル
多くのFIRE達成者が数千万~1億円超の資産で脱サラするなか、わずか400万円を元手に会社を辞める若者がいた。彼が実践する底辺FIREの実態とは!?
金融資産の配当などを収入源にしつつ、会社員生活からの脱出を目指すFIRE。昨今はブームになっているが、2020年10月に総資産400万円という少なさでFIREを実現したのが、ゆうすけ氏(28歳)だ。自ら「底辺FIRE」と称しているように、気を抜けば1年で使い果たす資産額である。
不自由な会社員人生にうんざりしていた
「働く時間も内容も他人に決められて好きなことができない、不自由な会社員人生にうんざりしていたんです。そもそも僕は贅沢な生活を望んでいるわけではありません。タワマンや高級車はいらないし、普通に暮らせればOKです。最小限に絞れば毎月の生活費は食費や光熱費、社会保険料、通信費込みでも3万5000円ほど。これにつみたてNISAの掛け金月3万3333円を合わせると6万8333円。この額さえ捻出できれば僕的には満足のいく生活です」
ゆうすけ氏は放置された実家の空き家をセルフリフォームしたため住居費がゼロ。さらに食費は1か月1万円以内で済ませている。
「激安スーパーで1パック98円の卵や100g68円の鶏肉を買って自炊する。1万円もあればおいしいご飯を食べられます」
そう話す彼の暮らしぶりからは貧困生活のようなネガティブな雰囲気はみじんも感じられない。
4%ルールはFIREの在り方のほんの一部
現在、ゆうすけ氏は米国株インデックスファンドを中心に運用し、総資産は約600万円にまで増えている。しかし、FIREには「4%ルール」という概念がある。年間生活費25年分の資産を貯めて、年4%の運用益で生活費を捻出するというルールだ。
これにゆうすけ氏の月間支出約7万円を当てはめると、必要な金額は2100万円なので総資産の3倍以上。増えた資産600万円を年利4%で運用しても年間24万円しか得られず、このままでは早晩資産が底を突く……。しかし、ゆうすけ氏は「4%ルールは絶対じゃない」と続ける。
「FIREに決まった形はありません。最近では運用益だけでは足りない生活費はバイトなど労働収入で補てんするスタイルを『サイドFIRE』などと呼びますが、僕も同じで、YouTubeやブログで広告収入を得ていて、会社員にならずとも何かしらの方法で稼げればいいと思っています」
つまり、「働かないこと」が価値基準ではなく、「不自由な生活を送らないこと」が何より重要なのだ。