“元芸人”マンボウやしろが語る、今のお笑い「若い子は洗練されている」
YouTubeは使いよう
――YouTubeなどの新しい媒体には、何か思うところはありますか?
やしろ:ツールとして、使えるなら使えばいいと思います。ニューカリカも、YouTubeでフラッシュアニメとかやれたらいいなとは思ってるんです。久しぶりに一緒にネタをやってみて、やっぱりブランクを感じたのは事実で、特に声のトーンの合わせ方や間(ま)に表れるんです。
でも自分たちが考えたネタを、フラッシュアニメでやれたら、いくらでも計算して作れる。それをニューカリカチャンネルで定期的にアップしていけば、ニューカリカの名前は知られていきますよね。実際の僕らは知らなくても、「あのフラッシュアニメのやつは知ってるよ」みたいに。
そこから実際のライブも行ってみようかという人が、1割でも2割でも出てくれればいい。だからYouTubeに関しては特に何も思っていませんが、そのひとそれぞれの都合のいいように使えばいいんじゃないかなと思います。
ダブルスタンダードで全然いい
――最後に、まだ『あの頃な』を読んでいない人にひと言お願いします。
やしろ:普段、小説をあまり読んだことがない人にも読みやすいものになっているので、手に取ってもらえたら嬉しいですし、僕ら世代よりも、若い世代の方のほうが、いろんな考え方に柔軟だと思うので、余計に抵抗なく読めるんじゃないかなと思います。
何に対しても、極端な考え方になるより、両方、もしくはいくつも考えを持っていたほうがいいと思うんです。ダブルスタンダードで全然いい。『あの頃な』を読むことで、さらにいろんな考え方、捉え方があるんだなということを感じてもらえたら嬉しいなと、おこがましくも思います。
<取材・文・撮影/望月ふみ>