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「彼女と浮気してるだろ」と突然のLINE。身に覚えのない浮気疑惑の真相は

コラム

真実は他愛無いことだった

 一通りの説明を終えてもSさんは半信半疑の様子。大谷さんは「とりあえずKさんに確認してほしい」とお願いし、いったん電話を切りました。そして思ったよりも早く問題は解決することになるのです。

「10分くらいでSくんからLINEが来て、誤解だったと謝罪されました。思ったとおり僕がSNSに載せている写真をKさんが使っていたんです。でもなんというか、その理由がとてもほのぼのしていて……最初は勝手に使われたことが少し不快だったんですが、そんな気持ちもなくなってしまいました」

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 昔からSさんは「料理上手な子が好きだ」と公言しており、それを知っていたKさんは付き合う前から「料理好き」であることをアピールしていました。しかしそれは真っ赤なウソ。実際には料理が苦手で、ほとんど作れるものはありませんでした。

 そんなことを知らないSさんは「料理の写真を見せてほしい」とKさんにお願い。言われたKさんは大慌てで、たまたま大学時代の友人がいいねをしていた大谷さんの投稿が目に入り、「自分が作った料理」だと写真を拝借して、Sさんに送っていたのです。料理の写真を見たSさんがとても褒めてくれて、引くに引けなくなってしまったというKさん。SさんはSNSを見ないため大谷さんの写真だとは気づかず、ずるずると嘘をつき続けてしまったとのことでした。

本当の料理上手に

 すでにSさんとKさんの2人は和解しており、Kさんからも大谷さんにLINEが届き、謝罪。Kさんの行為は褒められるものではありませんが、理由が理由であり悪用されたわけでもないため、大谷さんはこれ以上謝らなくていいと2人に伝えたのでした。

「Sくんは今まですごいと思っていた料理が僕の作ったものだとわかって、今度は僕のことを尊敬してくれるようになりました。それで頻繁に連絡を取り合うようになって、今では大学時代の友人の誰よりも仲良くしています。あの連絡が来るまではこんなふうになるとは思ってもいませんでした

 その後、3人で会う機会があり、そのとき大谷さんは改めて2人に謝罪されたそう。そして料理を教えてほしいと頼まれ、定期的に2人が大谷さんの家に訪れて、料理を楽しむようになりました。

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「Kさんももちろん上達しているんですが、Sくんはもともと食べるのが好きだからなのかメキメキ腕を上げていて驚きです。最近では『料理上手な子』よりも『自分の料理を美味しそうに食べてくれる子』が好きだと言っていました。まぁKさんのことですよね……僕もいつか僕の料理を美味しいと言ってくれる彼女がほしいです」

<TEXT/つる>

食べること、お酒、音楽、辛いものが大好き。30代になっても派手髪から抜け出せません。外に出るのはお酒が待っている時だけという姿勢を崩さず、今日も適当に生きています

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