手術代は123万円…SNSで話題の“トランス女性”が語る、性転換のきっかけ
女性が“エレベーターで男性と2人きりになる”ことに警戒感を抱くという心情が、4月にネットで話題になった。このシチュエーションに対する自身の体験を踏まえた見解をツイートし、2.2万リツイート、7万いいね(※2022年5月2日時点)を獲得し、注目を集めたのがトランス女性の山本ペリさん(@party_othman)だ。
話題になった山本ペリさんのツイートとは、「私は20代前半に性別を変えて(男性→女性)手術して帰ってきた月に今まで入られたことない泥棒に入られた(中略)22時頃歩いて帰ってたら急に知らない男に抱きつかれてちゅーをせがまれた(中略)身長も体重も中身も全く同じ人間が、女性に見える恰好で生活するだけでこんなにも急激に犯罪に合う」というもの。
男の体に生まれたことに違和感を持ち続け、性転換するという類まれな人生を送っている山本ペリさん。そんな彼女に、性転換した経緯や男性から女性になるとはどのようなものか、話を聞いた。
スーツ姿の自分を見て「このままじゃ無理!」
――自分が男性であることに違和感を抱いたのはいつからですか?
山本ペリ:幼稚園の頃からです。テレビでカルーセル麻紀さんが出ていた時に漠然と「まぁ、自分もこうなるんだろうな」って思ってました。中高は男子校だったんですが、修学旅行でもお風呂とかは絶対、一緒には入りませんでした。理由はうまく説明できないけど、とにかく嫌でした。プールの授業も1回も出ていません。
トイレは男性用に入っていましたが、個室のトイレ以外使ったことないです、人生で。前に、船に乗った時に、トイレがなくって「ここでは立ちションするんだ」って言われて絶対に嫌で。病気になっても構わない覚悟で我慢しました。
(性転換しても)やっていけそうだな
――男性から女性になろうと、手術を決意したのはいつですか?
山本ペリ:大学で就活をしていた時ですね。中学・高校は男子校だったので、それまでは女性がいないから相対化されないというか……。あまり不便を感じたことはなかったんですよ。だけど大学で就活を始めたら、スーツを着なきゃいけないし、髪も短くしなきゃいけない……。それで、最初の面接に行く時に「あ、もう無理だ」ってなりました。
その頃ちょうど、佐藤かよさんとか、大島薫さんとかが出てきていた時期で、セクシャルマイノリティの方が集まるイベントに行ったりして、色んな人と話す機会があったんですよ。そういう所に行くと、皆さん色々な活躍をされていて(性転換しても)やっていけそうだなと思うようになったんです。大学をダブらせることにして、在学中に手術を受けて女性になってから社会に出ました。