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イーロン・マスクはTwitterをどう変えるのか。買収で“ユーザー離れ”の可能性も

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多機能がアダになることも…

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 SNSを単純な“商品”として比較すると、機能がたくさんあるサービスのほうが「良いSNS」に見える。しかしユーザー戦略としてはそうではなく、むしろ逆のようだ。Twitterが躍進したのも、「1つの投稿は最大で140文字」という制限があったからである。

 従来型のBBS(電子掲示板)やブログ、他のSNSにも文字数の制限自体はあったが、140文字という短さは異例で、とりわけ欧米の言語では情報量が僅少となる。そのぶん書く側も読む側も手軽なわけで、そこから人気に火がついたのがTwitterだった。

最近のTwitterは“リッチな”SNSを志向?

 他にも2010年代を通じて、“自由度の低いSNS”が流行した。たとえばInstagramには「文字だけの投稿」ができないが、これによりオンライン空間に多い「長文で語るタイプの人」を排除し、フォトジェニックなユーザー層を保つことに成功。TikTokも短い映像を中心とするメディアで、自己表現を文字情報に頼らない“生身の”ユーザーを増やしてきた。

 すっかり衰退したmixiが、多くの機能を持つ“リッチな”SNSだったのとは対照的である。すなわち’10年代以来、「機能を絞り込むこと」がトレンドになっていると考えていいが、しかし最近のTwitterは“リッチな”SNSを志向している。

 Twitterの古参であるマスク氏が、このことをどう見ているかは不鮮明だ。しかし少なくとも字数制限に関しては、いちユーザーとして現状に満足しているように思える。

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