なぜ「IT業界はクソ」と言われてしまうのか?避けるべきブラック企業の見分け方
「IT派遣はクソ」と言われてしまう理由
SNSや動画などで「SES(IT派遣)はクソだ、悪だ」と言われているのを目にしたことはないでしょうか。なぜこのような声が上がるのかというと、IT業界が建設業界と同様に「多重下請け構造(1つのプロジェクトにいくつもの企業が入り、マージンと呼ばれる手数料を取る仕組み)」であることが大きな要因と言えます。
その他にも、以下のような理由からSES(IT派遣)にはマイナスな意見が集まりやすくなっています。
【SESのマイナスな意見】
・自分で客先(案件)を選ぶことができない
・下請け企業はマージンを多く抜かれてしまい、エンジニアに適正価格で給料を支給できない
・受注単価が不透明であるゆえに経営者の懐だけが暖かくなり、エンジニアの給料は上がらない
・下請け構造によって質の低い案件しか参画できずスキルが身につかない
このように聞くと、確かに「SES(IT派遣)=ブラックで闇が深くて悪」と言われても仕方ないかもしれません。では、全てのSES(IT派遣)企業がそうなのでしょうか。残念ながら上記であげたような会社が存在するのは事実ですが、全てではなく、エンジニアにとってプラスになる企業も確実に存在します。
「良いSES(IT派遣)企業」の見分け方
まず、避けるべきSES(IT派遣)企業の特徴は以下の通りです。
【避けるべきSES企業の特徴】
・自分が単価いくらで客先に常駐しているかわからない(教えてくれない)
・単価がわからないから自分の給料が適正なのか判断できない
・案件を自分で選ぶ機会すら与えてくれない
・営業が全くフォローしてくれず自分でなんとかするしかない
・経営状況が不透明で社員数が全く増えていない
逆に上記に当てはまらず、以下のような特徴を持つ企業は、良いSES(IT派遣)企業と言えます。
【良いSES企業の特徴】
・企業へ常駐する際の自分の単価が明確である
・単価に対して自分の給料が高い還元率(法定福利費込みで65%以上)で支払われている
・自分で案件を選べる(嫌だった場合は断れる)
・単価交渉やトラブル時には営業が積極的に動き守ってくれる
・会社の売上や利益が公開されエンジニア数が毎月増えている
良いSES(IT派遣)企業を実現するためには、透明性ある経営が必要不可欠です。例えば「単価を公開している」「そのうち何割がエンジニアの給与なのか開示している」「エンジニアが参画できる案件を共有している」ことなどが企業には求められます。
また、本社人件費や採用コストが必要以上に高くなったり、営業活動の効率が悪いとエンジニアへの還元率は下がってしまうため、これらの“無駄”を徹底的に省いた経営をしている会社も「良いSES(IT派遣)企業」と言えるでしょう。