大量のみかんに、年賀状…コロナ禍で進む“母親の認知症”にどう行動するか
またもやおかしな行動が…
月日が流れ、みかん事件を忘れたころ、またもやおかしな行動が……。
「新年に入り、昔の友達や親戚から年賀状が送られてきました。その中に、同じデザインの年賀状が4枚入っていたんです。送り間違えかと思い、差出人を確認すると、またもや母親からでした。しかも、各々別の内容のメッセージが書かれていました」
その内容を見て、川田さんは決断します。
「年賀状には、実家に帰ってきてほしいという内容から、元気にしているか気遣う内容までが書かれていました。4枚とも私に宛てた年賀状だと確信しました。もう2年も会えていないので、こちらのことも心配しているだろうと帰省を計画しました」
そして、川田さんは母親に帰省することを伝えます。
「規制に向けて抗原検査を受けました。陰性が出て健康状態も問題なさそうだったので、母親に電話で帰省することを伝えました。そしたら、『コロナなのに帰省するなんて最低だ!』と怒鳴られてしまい……。あまりにも年賀状で書かれていたこととも矛盾しているし、今でもまったく理解できません。とりあえず帰省は断念しましたが、母親の口調や行動がおかしくて心配しています」
「もしかして?」認知症を疑い始める
母親のおかしな行動が連続し、「もしかして?」と疑い始めます。
「認知症なのかもしれないと思いました。そのことを本人に伝えても、一切聞き入れようとせず、病院にも行ってくれないので困っています」
コロナ禍で周囲との関わりが減ることで、認知症が進むことは珍しくないそう。
「調べてみると、コロナ禍が始まってから認知症になったり、深刻化するケースは決して珍しくないらしくて……。介護に追われている家族も増えているようです。なんとか説得して病院へ行ってもらおうと、悪戦苦闘中です」
意外と身近に起こり得ることなので、家族と離れて暮らしている人は定期的なコミュニケーションを心がけるようにしましょう。
<TEXT/Honoka Yamasaki イラスト/zzz(ズズズ)>