業界注目の女優・河合優実「笑い方がわからなくなった」役づくりの難しさ
俳優業に「これ以上に楽しいことはたぶんない」
――まだ女優デビュー3年ですが、とても順調に活躍されています。そもそもこのお仕事に興味を覚えたきっかけは?
河合:何かの映画を観てやりたいと思った、みたいなきっかけがあるわけではないんです。もともとダンスが好きで、小さな頃から披露する機会が多くありました。高校でも続けていて、友達にもそうしたことが好きな子が多くいたので、表現することを仕事にしたいというか、好きだなという気持ちがありました。
そうしたことを続けていくうちに、「自分の表現を見た方が感動してくれる、これ以上に楽しいことはたぶんない」と感じました。身体表現という大きな枠として惹かれていたところから、徐々に気持ちがお芝居の方に向かい、縁あってこの世界にいます。
表現というのものは、カテゴライズできない
――仕事という意味で大切にしていること、感じていることはありますか?
河合:いろんな俳優さんやスタッフさんとお仕事をさせてもらってきて、自分が一緒にお仕事をしたいと思ったり、みんなに愛されたりするのは、やはり人間性、人格だと感じることが多いです。ただ、俳優というお仕事の場合は、どんな個性でも生かせるというか、どんな特徴を持っている人でも絶対に役割があると感じています。
――俳優を続けていくうえで大事にしたい「言葉」があれば教えてください。
河合:最近、感覚がピタっと来たのは、田中泯さんの映画のタイトルです。『名付けようのない踊り』というタイトルで、田中さんがご自身の踊りのことを指していらっしゃると思うのですが、演じるとか歌うとか、そうした表現はカテゴライズできないものだと私も思います。ボーダーがないというか。私も表現というものを枠にはめたくないと思っています。
<取材・文・撮影/望月ふみ>