業界注目の女優・河合優実「笑い方がわからなくなった」役づくりの難しさ
「沙良ちゃんはすごく不思議な人」
――あおい役だったことで、現場ではカメラの外でもほとんど笑うことがなかったとか。
河合:キャラクターがしっかりしているから、逆に切り替えられると思っていたのですが、控え室などでも、あおいを切らさない感じになってましたね。現場でほとんど笑ってなくて、笑い方がわからなくなった記憶があります。
――ほかのキャラクターとはほとんど話しませんが、南沙良さん演じる真帆とは特別な絆のある役です。
河合:沙良ちゃんはすごく不思議な人で、ひょうひょうとしていて何を考えているのかよくわからないところがあるんです。たいていはニコニコしているんですけど、すごく眠そうな時があったり、めちゃくちゃ楽しそうにしていたり……よく覚えているのが、マネージャーさんと本気で追いかけっこしていたことです。
――追いかけっこ?
河合:夜のロケでみんな疲れ切っていたのですが、マネージャーさんが苦手だというカエルを沙良ちゃんが素手で捕まえてきて、マネージャーさんを全力ダッシュで追いかけて、面白かったです(笑)。でもお芝居になるとすごく真剣で、面白い子だと思いました。私も沙良ちゃんも人見知りなので、特別に何か話したわけではなかったのですが、あおいと真帆も言葉にせずともわかり合っているような二人ですし、心地よかったです。
若い役者に刺激を与える芝居をしていた先輩
――主演の田中さんの印象も教えてください。
河合:田中さんは主演を務めることも多いですし、この撮影のときもすごく忙しい時期だったと思うのですが、悩んだり立ち止まったりといった姿を全く見ていません。余裕を感じましたし、いつもみんなを笑わせてくれるような方でした。後半の細田(佳央太)くんが演じた雪生とのお芝居なんかを見ていても、若い役者にちゃんと刺激を与えるお芝居をされる。そういうことを意識的にやっていたと思います。
――若い世代に刺激を与えるお芝居をあえてしていた?
河合:はい。そう感じました。言葉にするのは難しいのですが、自分だけが目立つこともできると思うのですけど、それぞれの子との絡みのシーンでも、その子たちのキャラクターが立つような刺激を与えるお芝居をされるというか。