「かつや」店員も大幅な給与減…コロナで多発する「不当なシフトカット問題」と対処法
不当なシフトカットに対抗するために
ではシフト制労働者は、シフトカットを甘んじて受け入れなければならないのでしょうか。そんなことはありません。首都圏青年ユニオンは、シフトカットに立ち向かい、またシフトカットで生じる生活困難に対応するための労働者の取り組みを支援しています。
まず、労働組合に加入して、会社に対してシフトカットの撤回やシフトカット分の給与の補償を要求することが可能です。首都圏青年ユニオンは約50社の企業とシフトカットに関する交渉を行ってきており、ほとんどのケースで何らかの給与の補償を勝ち取っています。前述の「かつや」や薬局のケースでも、給与補償やシフト回復を勝ち取っています。
また、フジオフードシステムのような新型コロナの影響によるシフトカットで、会社が給与補償をしてくれない場合には、「休業支援金」(正式名称は「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」)を活用することで、シフトカット分について、給与の8割の補償を国から受け取ることが出来ます。
コロナで働けなくなった学生も支援金を受給
首都圏青年ユニオンでは、この休業支援金の申請・受給支援も行っており、この支援の結果、会社に申請協力を拒まれたり、一度不支給決定が出た人についても、支給決定を勝ち取った事例が複数あります。例えば、コロナの影響で一切働けなくなった学生アルバイトは、会社による申請妨害にあいながらも、青年ユニオンの申請支援の結果、月7万円程度の支援金を1年以上受給しています。
フジオフードシステムでも、会社からの給与補償には応じませんが、休業支援金の申請協力には応じており、パート労働者の受給が実現しています。シフトカットにあってもあきらめる必要はありません。それに対抗したり、給与の補償を受け取る手段は様々にあります。ぜひ労働組合や弁護士に相談してみてください。
また、2022年4月16日(11時から18時)には、シフト制労働者の支援を行う弁護士の団体である「シフト制労働弁護団」が、シフト制労働相談ホットライン(電話番号:03-5395-5359)を開催します。お困りの方は、相談してみることをおすすめします。
<TEXT/首都圏青年ユニオン副委員長 栗原耕平>