スカイマークは巨額投資が引き金で倒産…実はヤバい会社の“決算”の特徴5つ
働き方改革、コロナ禍でのテレワークやDXの急速な浸透、SDGsや社会貢献etc. そんな時代の変化に対応できず、若手が次々と辞めていき、消えゆく「危ない会社」の特徴をプロフェッショナルが検証。あなたの会社は、大丈夫か?
「キャッシュ・フロー計算書」から浮かび上がる危機
2021年の新規上場社数が125社と、14年ぶりに100社を上回った(帝国データバンク調べ)。一方で、東京商工リサーチによれば、不適切な会計処理を開示した上場企業は2019年に過去最多の70社を記録。
昨今は、いち会社員も財務三表などの会計リテラシーが求められつつある。では、危ない会社を見抜くには、決算書のどこに着目すべきか? 経営財務の専門家・矢部謙介氏(@ybknsk)が解説する。
「売上高や経常利益が損益計算書上で減少していれば、会社の稼ぐ力が弱まっているので、それが続くようであれば赤字倒産のリスクが高くなります。これは明らかですが、難しいのは、損益上は黒字でも支払いのタイミングでキャッシュが枯渇する黒字倒産や粉飾決算のケース。
そもそも経営が健全なら粉飾などしないわけで、危険な会社を見抜くなら『粉飾しているのでは?』という点は最初から考慮すべき。その場合、カギになるのが『キャッシュ・フロー計算書』です。“勘定合って銭足らず”というように、現金の動きを読み解くことで、リアルな台所事情が見えてきます」
キャッシュ・フローの不自然な動きは要警戒
図は、成長期・安定期の企業と、粉飾・黒字倒産企業における典型的なキャッシュ・フロー(CF)のパターン。3つを比較すると、粉飾・黒字倒産企業では、本業の現金収支を表す営業CFがマイナスになっていることが見て取れる。
「売上高や経常利益が堅調に伸びているのに、営業CFが何年間も続けてマイナスというのは、粉飾・黒字倒産企業の決算表によく見られるパターンのひとつ。どうやって利益を上げているのか違和感を覚えますし、そもそも営業CFが継続的に赤字、あるいは減少傾向というのは、企業のキャッシュを稼ぐ力が弱まっている証拠」