若い世代に意外と多い「統合失調症」就職や進学がきっかけで…予防法を日本赤十字に聞く
発症すると徐々に日常生活に支障が…
「社会復帰」という言葉からも分かるとおり、統合失調症は日常生活にも支障をきたすほどの弊害をもたらすようです。
「陽性症状では、ブツブツと独り言が出るようになり、話がまとまらず会話が支離滅裂になります。悪口を言われたなどの被害を訴えるようになるため、他人と関わらなくなり、孤立することが多いです。
陰性症状では、うつ病に似た症状を呈し、勉強や仕事をすることが困難な状態となります。症状の増悪を繰り返し、認知機能が低下すると、思考力や判断力が低下するなど認知症に似た症状となり、社会生活を送ることが難しくなってしまうのです」
こうした症状を聞いて、気になるのは発症する原因ですが……。
就職、結婚…精神的なストレスが引き金に
「実は統合失調症を発症する原因は明らかになっていません。ドパミンが関連しているという説が有力で、遺伝的な要素がある人が、環境的なストレスがかかることにより発症すると考えられています。就職や転職、昇進、結婚など環境の変化がもたらす、精神的なストレスが引き金になることが多いです」
平均発症年齢について、岡先生はこう話します。
「男女ともに30代前後はライフイベントが多く、ストレスがかかりやすいため発症しやすいと考えられます。ただ、必ずしもこの年代というわけではありません。中年期に発症する場合もありますし、若年期に発症して、気づかれずに、中年期に発見されるということもあります」