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「あさイチ」でも話題。創造力が育つ遊びスペースをつくった孫泰蔵氏の狙い

暮らし

 さまざまな場所にVIVISTOPを作る。そこにはVIVITA独自の企業方針があるそうです。

「たくさんの場所で多様性のあるVIVISTOPが生まれ、それがVIVITAという大きなコミュニティとしてつながっていき、子供たちが社会で活動する力や影響力を強めていくことで世の中は変わっていくと思っています。

 またそこでは、今はイメージできない新しいビジネスも生まれてきます。VIVITAは現時点での常識にとらわれた事業計画やビジネスモデルをあえて考えないことで、大きな未来の可能性を形にしたいというかなり特殊な会社であり、コミュニティなんです」

子供たちの日々の活動履歴を詳細に記録

 わかるような、わからないような……。とにかく、なかなかめぐりあうことのできない特殊な会社のようです。他にはどんな取り組みがあるのでしょうか?

「私たちは、先に話したように、子供たちが好きなことをとことん突き詰めていける『環境』を作ってくことを大きなチャレンジだと捉えて動いています。そして、子供たちがここでの経験を振り返ったり、俯瞰して見たりすることで新しい考えに至っていくような『成長していく活動』になる取り組みも行っています」

 実際、「VIVISTOP KASHIWANOHA」では、オープン当初から、子供たちの日々の活動履歴を詳細に記録しているそうです。

「これは、毎日、クローズ後にクルーと呼ばれる私たちが子供たち一人ひとりの活動を振り返り、記録として入力しています。とても大変な作業ですが、この記録が運営を行う上で大きな力になりますし、真剣にここで活動をしている子供たちに私たちが真剣に向き合っている証でもあります。

 また、研究機関との共同研究として、我々クルーと子供たちの活動の様子を映像記録や音声データから分析してもらい、子供たちの興味の幅や方向性などを第三者の目で検証してもらったりもしています」

VIVISTOP

VIVISTOPの全景

時差7時間のエストニアに2店舗目をオープン

 さらに2018年夏~秋期には、2拠点目をエストニアにオープンする予定。なぜエストニアに?

「エストニアに2拠点目を作ることに関しては、いろいろなきっかけや協力者などの話もあるんですが、私個人としては、多拠点に広がるVIVISTOPでの子供たちのつながりを実現するための第一歩という思いが強いです。

 いろんな文化の違いや活動の多様性のある子供たち同士が情報共有することで、もっと面白い活動が生まれるようにしたい。エストニアと日本の時差は7時間くらいなんですが、それくらいの距離感でやったほうが、きっと面白い仕組みづくりになると思っています。

 普通に考えても、時間や言葉の壁をどういう風に技術で取り除いていくかという課題に取り組むことになりますからね。その点でエストニアはとてもチャレンジしがいのある場所だと思います」

VIVISTOP

「VIVISTOP」で遊ぶ子供たち

 他にも「今後はもっと長期的に外部の専門家や企業と子供たちとの共同活動を実現したい」と展望を語ります。

「現在、企業のブランドイメージを子供たちのアイデアでプロのアニメーターと共同で製作を行い、その企業に提案するなど「VIVISTOP」に共感する企業や専門家と一緒に子供たちが活動を行っていく機会をどんどん増やしています。

 さらに、一度きりのイベントで終わってしまうのではなく、そのイベントをきっかけにVIVISTOPの日々の活動の中で子供たちのプロジェクトが生まれてきて、実際の企業の新規事業のラインに乗ってしまうようなことが増えてきたら最高なんですが…」

 そう穴山さんは語ります。

「『大人にならないと勝負ができない』とか『世の中変えられない』と思ってしまうのはとてももったいないですよね。子供のほうが大人よりずっといいアイデアを持ってるんですよ。それを引っ張ってあげて、さらにそれを面白いと思う大人が集まってきて、みんなで形にしていく。そんな場所は絶対面白い! だから、その環境を『VIVISTOP』で作っていきたいですね」

<取材・文/小泉ちはる>

ライター/漫画家。キャリア、ビジネス系の記事から映画のコラムまで幅広く手がけています

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